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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
EpilogueZ-A星々煌めく夜天にてお別れをしよう〜Wiedersehen, BELKA〜
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王都民を不安にさせるわけにはいかないため、王都を囲む城壁の傍に降り立つ。王都を護る城壁に8つある門。その内の1つの門の両側に立つ騎士2人が私の顔を見るや否や、
「ようこそいらっしゃいましたッ、騎士オーディン!」
武装を胸の前で掲げるという礼の姿勢を取って、私を大声で迎えた。しかも目をカッと見開くものだから怖いの驚いたの。素でビクッとしてしまった。若干引きながらも「あ、ああ。通ってもいいだろうか・・・?」そう尋ねる。
「「もちろんですッ!」」
「ありがとう。門番、お疲れ様」
「「はいッ、ありがとうございますッ!」
元気の良すぎる感謝の声を背中で聴きつつ、王城へと歩を進める。さて。王都民に私の面が割れているとは言え、騎士たちのように盛大な姿勢を取る事は無いだろうと思っていたのが間違い。通りを歩くだけで群がって来て、戦争を勝利に導いた英雄として私に感謝したり称えたり、商品の果物や野菜を贈ったりともう大変だった。この騒ぎを聞きつけた警邏中の騎士が来なかったら、おそらく午前中に王城に辿り着くことは出来なかった。
「助かったよ。善意だから邪険にも出来なくてね」
「いえいえ。自分たちも英雄殿とお話が出来て光栄でした」
王城まで案内してくれた騎士たちと別れ、王城の門衛にも盛大な歓迎をされつつ城の入口の扉へと続く中庭の一本道を歩いている中、「騎士オーディン!」私を呼ぶ声。声の主へと目をやれば、クラウスの側近で子爵である青年騎士――ライナー・フレイジャー卿がこちらへ駆けて来ていた。
彼とも簡単な挨拶を済ませ、王城へ来た理由であるクラウスに逢いに来たと彼に言うと、
「申し訳ありませんが、殿下は今、重大な会議に参加なさっているのです。ですから、いつお暇が出来るかも判りません」
タイミングが悪かったな。直接逢って、別れを言いたかった。
「そうか。最後だから直接別れを言いたかったが、仕方ないな。では言伝を――」
「別れを言いに? どういうことですかっ!? ベルカを離れると言うのですかっ!?」
あまりの剣幕にたじろぎながら頷くと、彼は「くっ。自分にはお止めするだけの力が無い・・。少しお待ちを!」と悔しげに顔を歪ませ、王城へと走り去って行った。フレイジャー卿は私を止めたいようだが、すまないが出来ない相談だった。しばらく中庭の一角にある広場で待っていると、
「オーディン先生!」「オーディンさん!」
「オリヴィエ王女殿下、リサも・・・?」
フレイジャー卿とクラウスが来るとばかり思っていたが、来たのは正式にシュトゥラと同盟を結んだアウストラシアの王女オリヴィエと、彼女の側近であるリサの2人。先ほどのフレイジャー卿と同じような剣幕。おそらくクラウスに会いに行く途中で彼は2人と会い、そして私の事を
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