暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
EpilogueZ-A星々煌めく夜天にてお別れをしよう〜Wiedersehen, BELKA〜
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気分が優れないんですか?」シャマルに心配されてしまう。その都度、「大丈夫だよ」と上手く出来ているか判らない笑みを浮かべることに。

「おはようザフィーラ。いつもお疲れ様だ」

「おはようございます、我が主。いいえ。我に出来るのはこれくらいなので」

ザフィーラと合流。昨夜の事について何も言及してこなかったため、バンヘルドと私の邂逅には気付いてないようだ。私としてもバンヘルドの接近には気付かなかった。何かしらの結界が張られていたようだ。

(その事に気付かなかったとは、随分と気が緩んでいたようだ)

反省しながらみんなと共に着いた食堂にはすでにアンナが居て、朝食を作っていた。私が教えたスクランブルエッグや焼きベーコンに焼いたパン、焼きチーズなどなどだ。アンナとも朝の挨拶を交わして食卓について少し経った頃。

「おはようございます!」「おはよー」

エリーゼと眠そうなターニャがやって来た。そしてアンナの美味しい朝食を食べ始める。いつもの食事中の会話は、今日の予定や昨夜見た夢の話などだが、今日だけは・・・。

「シャマル。今日の医院担当は私とシャマルとなっているが、すまないけど今日は休ませてくれないか?」

「はい。それは構いませんけど・・・。あ、やっぱりお体の調子が・・・?」

「えっ? そうなんですか? だとしたら休んでいないとダメですよっ」

「お薬・・は、オーディンさん達の方が詳しいですよね」

シャマルとエリーゼとアンナに心配されるが、体調が悪いのではなく「王都ヴィレハイムに用事があるんだ」と答える。当然、「王都へですか? 何か問題などでもありましたか?」とエリーゼに訊かれることになった。だが今は多くは語れない・・というか、まだ言いたくない。クラウスに別れの挨拶をしているところを見られたくないため、

「いや、しばらく顔を見ていないから、少し挨拶をと思うんだ。それと供はいい。アギト、アイリ、そしてシグナム達はそれぞれの仕事に励んでくれ」

先制してそう言うと、少しばかり不満そうなアギトとアイリを含めた全員が「ヤヴォール」と承諾してくれた。私に許された残り僅かな時間の予定を一気に組み立てていく。まず最初にクラウスとの別れだ。
そしていつも通りに朝食を終え、私はすぐに王都ヴィレハイムへ向かうことにした。剣翼アンピエルを発動し「いってきます」と小さくだが手を振ると、エリーゼ達が「いってらっしゃい」と手を振り返してくれる。

(本当にもう別れの時が来たんだな・・・)

この何でもないやり取りがもう出来ないと思うと、本当に寂しくなってしまう。弱気になる心に「忘れろ」喝を入れ、一路ヴィレハイムへ進路を採り、一気に速度を上げる。アンピエルでの最大速度の飛行で30分弱。ようやく見えてきたシュトゥラの王城。
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