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100年後の管理局
第五話 稲妻、加勢
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っていた杖を構え、少年に問う。
「何が目的だ!」
そう、幸い死者は出ていないものの、幾人もの重傷者を出した少年の目的はいまだ知れていなかった。
あまりにも唐突に少年は暴れ出し、近隣の住民を傷つけ、そして管理局員たちと戦っていたのだ。
誰も少年がなぜ暴れているのかを知らない。
だからこそ、問う。
「何故、このような真似をする!?」
しかし、その問いかけに対し、少年の返事はあまりにもひどい理由だった。
「何故?はっ!むかつくからだよ!てめえら大人がよ!」
少年は声を荒げ、叫ぶ。
「どいつもこいつも俺より才能ないくせして、偉そうにしやがる。たかだか十数年俺より早く生まれただけじゃねえか。才能もないのに上から目線であれやれ、これやれうるせえんだよ。」
少年は自分の中にある不満をぶつけるかのように恨み事を吐く。
その言葉には強い憎しみの感情がこもっていた。
「だから暴れてやったんだよ。どうせ俺より強い奴なんていねえんだ。いくら暴れたって誰も俺を捕まえられねえ。実際誰も俺に敵わなかったしな。」
クケケ、と少年は笑う。
しかし、男にとってその言葉は衝撃的だった。
一児の親でもある男にとって、子供にあれこれ言うのは子供にきちんと育ってほしいからであり、そこに決して他の感情など交じったことはなかった。
だからこそ、少年持つ憎しみの感情が、それを理由に暴れたことが、理解できなかった。
「そんな理由で………。」
それを聞いた少年はその顔に嘲笑を浮かべた。
「そんな理由だぁ?そう言えんのはあんたが才能ねえからだろ?才能のねえ奴が才能のあるやつの事なんか理解できるはずがねえんだよ!」
そう言って少年は男に一気に近づき、男に向かって銃剣を振り下ろす。
その瞬間、黄色の閃光が瞬き、何かが銃剣を受け止めた。

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