第百二話 黒い翼の少女
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第百二話 黒い翼の少女
「ところでだ」
ダイゴウジが不意に口を開いた。
「グラヴィオンのことはわかった」
「納得できねえものはあるけれどな」
リョーコがそれに応える。
「わかることはわかったな」
「しかしあの胸の戦闘機は何だ?」
「あのステルスですよね」
「あれにも人が乗っている筈だが」
ダイゴウジは今度はヒカルに応えて言った。
「しかし。あれに乗っているのは一体」
「影」
イズミがふと言った。
「影はかっけえーーーー・・・・・・」
「イズミさん、もう駄洒落にも何もなってませんよ」
ジュンが唖然としつつ突込みを入れた。
「もう何が何だか」
「話を続けていいか?」
ダイゴウジがそのジュンに問うた。
「それで」
「ええ、どうぞ」
「とにかく人が乗っているのは間違いない筈だ」
「そういやあのサンドマンさん言ってたっけ」
サブロウタがここであることを思い出した。
「マシンは人が乗ってこそだってな」
「そういえばそんなことも言っていたな」
ダイゴウジはサブロウタの言葉で彼も思い出した。
「確かな」
「だとすれば誰かが乗っているのは間違いない」
ナガレは言う。
「問題はそれが誰かだが」
「誰なんだ?だとすると」
ジョナサンも首を捻る。
「またぞろとんでもないのが出てきそうだな」
「そうだな」
シラーはその可能性を否定できなかった。
「あのサンドマンさんだからな」
「けれどそんな滅茶苦茶な人は出ないんじゃないかしら」
カナンはこう述べた。
「流石にこれ以上は」
「いや、わからないですよ」
「そうだな」
カナンのその言葉にカントとナッキィが言った。
「今でさえ全員メイドさんなんて」
「不自然な状況だからな」
「じゃあ何が起こってもおかしくはないか」
勇はぽつりと呟いた。
「グラヴィオンの六人目のパイロットも」
「そう思うべきか」
ヒギンスも呟いた。
「私もそんな予感がする」
「おそらく女だ」
クィンシイは言った。
「その六人目はな」
「そうだね」
ヒメもそうだと思うのだった。
「だってサンドマンさんだから。間違いないよ」
「間違いないんだ」
アキトはそこにどうにも引っ掛かるものを感じた。
「それで」
「そうじゃないのか?やっぱり」
そのアキトに対して勇が言ってきた。
「お城の中にいた男の人はサンドマンさんと斗牙だけだっているからな」
「そう。それじゃあ」
「やっぱり?」
「後は仮面を被ったこれまた変な人だしよ」
リョーコはレイヴンをそう見ているのだった。
「何かあの城って変態の巣みてえだよな」
「一人がそうじゃないのかね」
ジョナサンはあからさかにサンドマンのことを言っていた。
「あの人の趣味でしょ」
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