第九十九話 天使達の覚醒
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ないうちにね」
シルヴィアがここで言った。
「あいつまで」
「あいつ!?ああ、あれな」
ピエールは彼をあれと呼んだ。
「あれも一緒だったんだな」
「そうよ」
忌々しげに言うシルヴィアだった。
「全く。何で一緒なのよ」
「翼の跡はなかったけれどな」
ピエールはそこを言うのだった。
「今それで調べている最中さ」
「そうなの」
「あの副司令さんがな」
そう言って少し皮肉に笑ったピエールだった。
「目出度く副司令に就任になってな」
「何かあれもいきなりだったわね」6
シルヴィアはこのことについても述べた。
「不動司令が来られてね」
「その司令も同席であいつに質問中さ」
「それはいいけれど」
シルヴィアは含むところがあるような言葉になっていた。
「あいつ、まともに質問聞けるのかしら」
「無理だな」
シリウスは一言でばっさりと切り捨てた。
「それはな」
「やっぱりそうか」
「あの男は獣だ」
こう評するのだった。
「その獣を制御に話しても無駄だ」
「そういうことだな。まあ副司令さんには御苦労だけれどな」
ピエールもまた期待はしていなかった。そしてその頃そのジャンは。一室で不動や兵士達と共にアポロに対して色々と聞いているのであった。
「それで君は誰なのかな」
「・・・・・・・・・」
獣の目でジャンを睨んでいるだけで答えはしない。
「何処から来て。それで幾つかな」
「ガルルルルルル・・・・・・」
「あのなあ!」
答えるどころか唸り声をあげてきたので流石に言い返す。
「動物じゃないんだから答えるんだ!こっちだって仕事なんだよ!」
「ガアッ!」
しかしやはり答えはしない。答えないどころか怒った彼に頭突きを仕掛けてきたのだった。それでジャンは大きく後ろに倒れてしまった。
「グハッ・・・・・・」
「ここから出せ!」
ジャンを倒したアポロはこう叫ぶのだった。
「俺はバロンを助けに行かないといけないんだよ!」
そう叫んで今度は不動に襲い掛かる。しかし彼はジャンとは違った。
「ムンッ!」
「ガハッ!」
いきなり殴り飛ばされた。
「ムン!ムン!」
「グハッ!グボッ!」
「少年、まずは名乗ることだ」
殴り蹴ってから踏みつけたアポロに対して言うのであった。
「今生の名は。何というのだ」
「うぐぐ・・・・・・」
こうしてかなり過激な質疑応答の後でアポロはとりあえず隔離されることになった。そうしてそこで彼は相変わらず騒いでいた。
「出せ!」
こう叫びつつ扉を体当たりで破ろうとする。
「ここからな!早く出せ!」
「とまあ大変だったらしいぜ」
アレックスがことの一部始終を皆に話していた。
「まるで動物を相手にするようだってな」
「動物かよ」
「何かなあ」
甲児もケーンもその話
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