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スーパーロボット大戦パーフェクト 第三次篇
第九十八話 一万年と二千年前から
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題が残っていた。
「そうですか。命を吸い取られた人は」
「そうだ。帰っては来ない」
不動はこのことをロンド=ベルの面々に話していた。
「二度とな」
「くっ、何て奴等だ」
「そうして世界を破壊するっていうのかよ」
「そしてだ」
不動は天使達の所業に歯噛みする彼等にさらに述べてきた。
「敵は彼等だけではない」
「ああ、それはな」
勇が彼の言葉に頷く。
「その通りだよな」
「それを踏まえて今言おう」
「今!?何なんだ?」
「我々は諸君等に合流しよう」
ジョナサンに応えての発言であった。
「今よりな」
「おいおい、あんた達もかよ」
「驚きはしないのだな」
「いつものことだからな」
実に達観したジョナサンの言葉である。
「今更誰が来ても驚きはしないさ」
「そうか。ならいい」
「ならいいってちょっと待って下さいよ」
しかしジャンは彼等とは全く別の考えであった。
「いいって。設備とかはどうするんですか?」
「そっくりそのまま移す」
全く何でもないといった口調であった。
「だからだ。心配無用だ」
「けれど場所は」
「場所ならあります」
エキセドルが申し出て来た。
「マクロス7居住区にスペースがありますので宜しければお使い下さい」
「かたじけない。それではな」
「何でこうなるんだ」
ジャンは唐突に決まってしまった話に嘆くことしきりだった。
「こんな何でもかんでも急に」
「まあ仕方ないわね」
嘆くジャンに対してソフィアは至って落ち着いたものであった。
「けれど私達で何かするより皆でいた方がいいわよ」
「そういうものなのかなあ」
「そうよ。私は賛成よ」
微笑んで述べてきた。
「それでね」
「はあ。何がもう何だか」
「何か貴方を見ていると全く他人には思えないな」
カミーユが嘆くそのジャンを見て言った。
「できればもっとしっかりして欲しいんだがな」
「何か私も君を見ていると他人には思えないよ」
ジャンもまたカミーユを見て述べた。
「初対面だというのに」
「では我々とアクエリオンはそのままロンド=ベルに加入する」
完全に決まったものにしている不動だった。
「これから入る予定の候補者達も呼ぶようにな」
「わかりました」
ソフィアが応える。かなり強引にアクエリオンもまたロンド=ベルに入るのだった。
その頃ある場所では。妖しげな、それでいて清らかな美女が透き通った床の下にいる銅像の如き青年を見て微笑んでいた。
「時が来ましたわ」
女は言った。
「貴方が目覚められる時が。遂に」
その青年に優しげに語り掛ける。それと共に眉から四つの目が開いた。その四つの目で青年を見つつ女は微笑むのだった。まるで希望を見出したかのように。

第九十八話完

2008・12・11

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