第九十七話 酷薄な天使達
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第九十七話 酷薄な天使達
ペルーでの戦いを終えたロンド=ベル。彼等はまずはそのまま中南米に止まることとなった。
「ここにもジャブローに基地があるんだな」
「そうだな」
彼等はジャブローの連邦軍基地に入りながらそれぞれの言葉を交えさせていた。
「しかもその規模もな」
「かなりのものだな」
「そちらの世界にもジャブローの基地があるんですか」
「ああ、実はそうなんだよ」
アンドレイにカイが答えた。
「規模もこんなもんだな。かなり大きいぜ」
「ここは密林で守り易いですからね」
この理由も向こうの世界と同じであった。
「ですからここに基地を置いたんですよ」
「連邦軍の本部だよな」
「はい、その通りです」
この点も同じであった。
「ここにあります。ですがそのせいでここでも何度か戦闘になっています」
「そうだろうな」
ハヤトはそれを聞いて当然と言わんばかりに述べた。
「やっぱり本部だったら敵も来るよな」
「かつては早乙女博士も来ましたし」
「あの博士がねえ」
リュウはアンドレイの説明を受けて声をあげた。
「その辺りが今一つ想像できないんだがな。あの温厚な博士が世界を滅亡させようとしたっていうのがな」
「ですがリュウさん」
こう言うリュウにセイラが声をかける。
「こちらの世界と私達の世界は似ている部分もありますが全く違う世界ですから」
「だから早乙女博士も違う人間だってことか」
「はい、そうです」
またリュウに言うのだった。
「ですから。それはよく踏まえておかないと」
「考えを誤るってわけか」
「その通りです。ですから」
「そうだな」
セイラの今の言葉で考えをあらためるリュウだった。
「考えてみれば確かにそうだよな」
「その通りです。ですから注意しないと」
「わかった。それにしても本当にそっくりだな」
セイラの言葉を聞いたうえで再度ジャブローを見るが感想はこうだった。
「細かい部分までな」
「全くだ」
クワトロも言うのだった。
「二度ここで戦ったな」
「そうだったな。あの時は御前とは派手にやり合ったな」
「ふふふ、そうだったな」
少し楽しげに笑ってアムロに言葉を返すのだった。
「思えば私もあの時は若かった」
「今でも二十代では?」
ソーマの今のクワトロへの言葉は少しばかりピントが外れていた。
「確か」
「まあそれはそうだが」
そのピントの外れた言葉にも何とか応えるクワトロだった。
「だが。今となっては懐かしいのだよ」
「そうなのですか」
「この気持ちは時間が経てばわかるものだよ」
優しい声でソーマに述べたのだった。
「少しずつだがね」
「はあ」
「君も。四年前の戦いはそうではないのか?」
「いえ、私は」
クワトロの問いに首を小
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