第九十七話 酷薄な天使達
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さく振るのであった。
「それは。まだ」
「若いうちはそうだ」
また若さを語るクワトロだった。
「だが。歳を取ればわかるものだ」
「ですか」
「まあよ。女なんて二十を過ぎればただの婆だ」
予定調和の如くシンが言わなくていいことを言いだす。
「とりあえずあの眼鏡のおっかないおばさんなんてよ。もう白骨だからな」
「おい、シン」
ハワードが深刻な顔で今のシンの放言に対してクレームをるける。
「今の言葉は下手をしたら死ぬぞ」
「そんなの平気さ。所詮おばさんはおばさんだよ」
やはり人の忠告は聞かない。
「耳だって耄碌してるからよ。聞こえ・・・・・・たわばっ!!」
後ろから踵落としが奇麗にその脳天に突き刺さった。見ればその脚はそのカティのものであった。
「残念だが耳は健在だ」
「やっぱりな」
「こうなると思っていたぜ」
ハワードだけでなくダリルも呆れていた。シンは何処までもシンであった。
何はともあれジャブローに入ったロンド=ベルはそこで正式にこちらの世界の戦力としても認められたりここにいる間の待遇等も正式に定められた。それは今の状況の追認であった。
「何かあっさりと終わったな」
「そうですね」
アムロがスレッガーの言葉に頷いていた。今二人は基地の廊下を並んで歩いている。
「とりあえずはこれで」
「御前さんも相変わらず中佐でいいいんだよな」
「スレッガーさんは大尉ですね」
「ははは、よく考えればもう御前さんの方が階級は上だ」
そのことを笑って言うスレッガーだった。
「連邦軍のエース中のエースだからな、もう」
「からかわないで下さいよ」
今のスレッガーの言葉にはついつい苦笑いになるアムロだった。
「俺はあの時と同じですから」
「その割には随分成長したな」
「そうですか?」
「ああ。大人になったな」
こうアムロ自身に言うのだった。
「ロンド=ベルのトップガンに相応しくな」
「色々ありましたからね」
スレッガーの言葉を受けて過去を振り返ったアムロだった。
「一年戦争にバルマー戦役」
「ああ」
「未来にも行きましたし」
「そっちも大変だったらしいな」
「はい。何度も死線を潜り抜けました」
その時のことも思い出しているアムロだった。
「そして今も」
「長い戦いが続くかと思えばこうして異世界だ」
「何があるかわかりませんしね」
「全くだ。それにだ」
「それに?」
「ここでも戦ってる奴がいるしな」
「ええ、それもですね」
今共にいるこちらの世界の仲間達のことだった。
「ここでも。本当に」
「そしてジャブローも何度か襲撃を受けているらしいしな」
「そのことですけれど」
ここで話を変えてきたアムロだった。
「気になることを聞きました」
「気になること!?」
「はい、天使で
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