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スーパーロボット大戦パーフェクト 第三次篇
第九十六話 青い血
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俺は見ていないよ」
こう恵に答えた。
「こうしたお店はね。入るのははじめてだし」
「はじめてなの」
「そうだよ」
「じゃあ教えてあげるわ」
こう返す恵だった。
「まずはね」
「うん」
「ここをこうして」
お金はもう払ってあった。アイス等を入れている冷凍庫と同じボックスの中からある飲み物を二本取り出した。そうしてそのうちの一本を綾人に渡すのであった。
「どうぞ」
「何?これ」
「ラムネよ」
答えてすぐに飲みだした。
「これがね」
「ラムネ!?」
だが綾人はラムネと聞いてまた首を傾げるのだった。
「何、それ」
「ラムネ知らないの」
「飲み物だよね」
これは流石にわかるのだった。
「それはわかるけれど」
「そうよ。美味しいわよ」
飲む前に何かをしていたのは彼には見えなかった。
「かなりね」
「うん・・・・・・って」
だがここで彼は飲もうとしたところで顔を顰めさせるのだった。
「何、これ」
「どうしたの?」
「出ないよ」
その顰めさせた顔で言うのである。
「これって。何なの?」
「飲めないって・・・・・・あはは」
綾人の今の言葉を聞いて思わず笑いだしてしまった恵だった。
「あははははは、ひょっとしてビー玉落としていなかったの!?」
「ビー玉って!?」
「ほら、ここ」
ここで綾人のラムネの先を指差す。見ればそこにはビー玉があった。
「ここのこれをね。落としてね」
「それで飲むんだ」
「そうよ。それよ」
それだと言うのだった。
「それを落としてから飲むのよ」
「ふうん、何か凄いね」
「凄いかしら」
「本当にはじめてだから」
綾人はじっとそのラムネを見ていた。
「こういうのって」
「ラムネ飲んだことなかったのね」
「本当にね」
綾人はまだラムネを見ていた。
「これって」
「落とせる?」
「それはね。こうするんだよね」
「そうよ、上手いじゃない」
すぐにビー玉を落とした。そうしてすぐに飲む。その感想は。
「美味しい」
「そうでしょ?美味しいでしょ」
綾人に顔を向けて微笑んでみせた。
「これって。私好きなのよ」
「俺も。何か好きになったよ」
少し笑っての言葉だった。
「このラムネが。それに」
「それに?」
「いい場所だしね」
ここで顔を上げたのだった。
「ここって」
「いい場所って?」
「ほら、景色が」
顔はさらに笑っていた。彼は今は海を見ている。
「この景色。いいよね」
言いながらカメラを撮るように指を合わせた。そのうえでさらに海を見る。店の向こうの横の道路から見えるその海を。アスファルトの黒とガレージの白の向こうにその澄んだ青が見える。
「ずっと見ていたい位だよ」
「へえ、あんたカメラか何かやってるの?」
その合わせた指が四
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