暁 〜小説投稿サイト〜
スーパーロボット大戦パーフェクト 第三次篇
第九十六話 青い血
[5/15]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
だった。
「如月さん」
「やあ、綾人君」
「もう顔見知りみたいね」
「色々とよくしてもらいました」
こう遥に話す綾人だった。
「ここで」
「僕は別に何もしていないけれどね」
「いえ、それでもです」
彼は如月に言うのだった。
「親切にしてもらいましたし」
「だったらいいけれどね」
「はい。ところで」
ここで彼はその少女を見るのだった。
「この娘は。一体」
「久遠」
少女の方から名乗ってきた。
「私の名前は久遠」
「久遠!?」
「ええ」
綾人に対しても答える。だが表情はない。
「そう。私は久遠」
「久遠っていうのか、君は」
「知ってるかしら」
彼女は不意に綾人に対して言ってきた。
「何故。これが赤と青なのか」
「えっ!?」
「これが」
見ればそこにあるのは散髪屋のあのマークだった。赤と青、それに白のあのカラーがくるくると回っているそれであった。久遠と名乗る少女はそれを見て言ってきたのである。
「これが。どうして」
「どうしてって言われても」
「野戦病院のマークだったの」
久遠は綾人に対して答えた。
「だからなの」
「そうだったんだ」
「宜しく」
今度は挨拶をしてきた。
「これからも。宜しく」
「あっ、うん」
いきなり言われたので戸惑いながらも応える綾人だった。
「こちらこそ」
「世界は音に満ちて」
また言う久遠だった。
「だから。この世界は」
「この世界は!?」
だが久遠は今度は答えなかった。何か不思議なメロディーを歌いながら綾人と別れるのであった。これが彼と久遠の出会いだった。だが彼はすぐに沖縄に送られた。そこで恵と二人である古い家の前に辿り着いたのであった。
「全く」
「何だよ」
半ズボン姿の恵の声に顔を向ける。
「何であんたと一緒なのよ」
「俺だって言われてここに来たようなもんだし」
「全く。何かしたらね」
「誰が御前なんかにするんだよ」
「わからないわよ。男だから」
不機嫌そのものの顔で言う恵だった。
「何するか。そうしたら容赦しないから」
「ふん、絶対するもんか」
「その時は覚悟しなさいよ」
そんなことを言い合いながらその古い家に入った。家に入ると和服の穏やかな壮年の男がいた。彼はその穏やかな顔で自分の前に恵と共に座る綾人に対して声をかけるのであった。
「神名綾人君だね」
「はい」
彼の言葉に対して頷く。
「そうです」
「はじめまして」
彼は微笑んで綾人に挨拶をしてきた。
「遥と恵の叔父で六道翔吾という」
「六道翔吾さんですか」
「そうだ」
ここでも綾人に対して微笑んで頷いてみせてきた。
「これから宜しく頼む」
「はい、こちらこそ」
「恵」
六道は今度は恵に顔を向けて声をかけてきた。
「綾人君に近所を案内して
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ