第九十四話 もう一つのゲッター
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なんだな」
「はい」
こう豹馬の問いに答える。
「強敵です、迂闊に攻めないで下さい」
「あんたがそう言うからには相当なものなんだな」
豹馬はテッサの言葉を聞いて納得して頷くのだった。
「それだったら」
「それはええけどや」
「豹馬どん」
ここで十三と大作が彼に声をかけてきた。
「御前あまりテッサさんに声かけるんわ」
「止めた方がいいでごわす」
「!?何でだよ」
何故そう言われるのか理由がわからず目を丸くさせる豹馬だった。
「いいじゃねえか。作戦のこと聞いてるんだからよ」
「それでもですよ」
たまりかねたように小介も彼に言ってきた。
「あのですね、コンバトラーチームにはちずるさんという頭脳がおられますし」
「参謀は御前だろ」
こうまで言われてもわからない豹馬だった。
「それで何でそんなこと言うんだよ」
「あのですね、ですから」
「わっかんねえなあ、おい」
本当にわかっていないから恐ろしい。
「御前等何が言いたいんだよ、ったくよお」
「・・・・・・御前、ホンマ一回周りよお見ろ」
「すぐにわかるでごわすよ」
「全くです」
三人の言葉は完全に呆れたものになっていた。
「こんなんでホンマ」
「何と言っていいでごわすか」
「困ったことです」
「何かよくわからねえがあいつはやばいんだな」
「はい」
テッサは一応は答えた。だがここでマデューカスとカリーニンに対して問うのであった。
「まさか豹馬さんは」
「間違いありません」
「全く気付いていません」
「そうですね」
二人の言葉を聞いて頷くテッサであった。
「あの御様子では」
「ですが艦長」
「それはあまりにも」
二人はここでその厳しい顔を顰めさせて言うのであった。
「我々ですら気付きました」
「それもはっきりと」
「私もです」
そしてそれはテッサも同じなのであった。見れば彼女も困った顔をしている。
「私でも。まだコンバトラーチームの皆さんと知り合って間もないというのに」
「どうやら前からのようで」
「葵君は。あのようで」
「ちずるさんも大変ですね」
ふう、と溜息をつくテッサだった。
「あれだけはっきりしておられるというのに」
「全くです」
「困ったことです」
とかく鈍い豹馬だった。だがその鈍さも戦場においては関係なく目の前のガルラ帝国軍もドーレムも蹴散らしていく。しかしそのアレグリットの相手はしなかった。
そのアレグリットを見ながら勇がテッサに尋ねる。
「それで大佐」
「はい」
「あのマシンはどうすればいいんですか?」
「まずは様子を見て下さい」
こう勇に答えるテッサだった。
「今は」
「様子見ですか」
「アレグリットの戦闘力はかなりのものです」
だからだというのだ。
「ですから」
「わかり
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