第九十三話 ガンダムマイスター
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は五人の中でもとりわけ冷静に戦場を見ていた。
「ならばだ」
「各員迂闊な行動は避けよ」
リーが素早く指示を出す。
「何時何処に伏兵が出て来てもいいようにな」
「了解・・・・・・っていきたいけれどよ」
「どうした?」
ここで声をあげてきたカズマに顔を向ける。
「何かあるのか?」
「艦長さん、レーダーに何か反応はねえか?」
「むっ!?」
「ハガネのレーダーによ。どうだい?」
「反応!?ガルラ帝国ではなくか」
リーも伊達にこの若さで艦長をしているわけではない。カズマの言葉から何か不穏なものを感じ取っていたのである。この辺りの勘は流石だった。
「そうだ。ねえか?」
「今のところはない」
自分でも艦長の席の側に置かれているレーダーをチェックしたうえで答える。
「あくまで今のところはだが」
「そうか。四つ程変なのが見えた気がしたんだよ」
「四つ!?」
「そうです」
ミヒロも言ってきた。
「一瞬ですけれど」
「大きさはどの位だ?」
「大体モビルスーツ位だな」
カズマは答えた。
「その位だったぜ」
「モビルスーツ」
リーはそれを聞いてふと思い出すことがあった。
「そういえばこの世界にもガンダムがいたな」
「はい」
ここでそのリーにセティが答えてきた。
「我々連邦のものとは別に」
「それなのか?」
「で、どうするんだい?」
カズマはあらためてリーに尋ねる。
「そのガンダムが出て来たらよ」
「今はいい」
だがそれは構わないと判断したリーだった。
「まず周囲への警戒は怠らないが」
「ああ」
「今はガルラ帝国に対して専念する」
「まずはあいつ等か」
「そうだ。我々の第一の敵はガルラ帝国だ」
既にその優先順位まで決めていたのだった。
「だからこそだ。わかったな」
「了解。それじゃあよ」
「ただしだ」
ここでリーはカズマに一言言ってきた。
「迂闊に前には出るな、いいな」
「迂闊には、かよ」
「ただでさえ貴様は無鉄砲な行動が多い」
これは多分に嫌味も入っている言葉だった。
「それが戦局全体に影響を及ぼしてはならんからな」
「へっ、慎重過ぎてもかえって駄目なんだぜ」
「その言葉は生き残ってからにしろ」
今度の言葉は本気であった。
「わかったな。わからなければ営倉入りだ」
「何だよ、厳しいな」
「まあそう言うなカズマ」
ブレスフィールドがここでカズマに対して言ってきた。
「艦長殿は心配性なのだ。気遣ってやれ」
「おっと、そういやそうか」
「そうだな、艦長よ」
「私としては一刻も早く貴様を裁判にかけたいのだ」
リーは自分に顔を向けてきたブレスフィールドに対して忌々しげな顔で返した。
「その為には家族の証言も重要だからな」
「わしは何もやましいことはしておらんぞ」
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