第九十二話 一対の獅子
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女と金髪の少女だった。
「あたし達もね。二人で一機なのよ」
「このローレンス=ジェファーソンにね」
「そうか。これで十四人で」
「機体は十二機」
計算は丁度だった。
「戦力としては結構なものだよな」
「けれどよ」
だがここで言ったのは豹馬だった。いぶかしむ顔でテッサを見て言うのだった。
「なあテッサさん」
「はい」
「これだけかい?別働隊は」
こう彼女に問うてきた。
「まだ他にいるんじゃねえのか?」
「あれ?これだけやあらへんのか?」
「そうよ、豹馬」
十三とちずるがその彼に言う。
「別働隊やから」
「本隊より多くないのが普通だし」
「その通りでごわすな」
大作も二人の考えに賛同してきた。
「この方々だけではないでごわすか?」
「いえ、もっとおられた筈ですよ」
しかしここで言ったのは小介だった。
「見たところこのウラジオストクの格納庫にはまだ開いている部分がありますし」
「開いている部分!?」
「それじゃあ」
「はい、そうです」
そして小介の言葉を認めるように応えてきたテッサだった。
「後五機あります」
「五機!?」
「一個小隊規模の数がまだいるのか」
「その通りです。ですがそのチームは今は別方面で戦闘中でして」
「ここにはいないと」
「その通りです」
こう答えるテッサであった。
「ですから今は」
「そうか」
「だからいないのか」
「そういうことです。申し訳ありませんが」
「いや、別にさ」
「謝らなくても」
別にそんなつもりはないのでバツの悪い顔になるロンド=ベルの面々だった。
「俺達別に問い詰めたわけじゃねえしさ」
「そういうのは」
「ないから」
「左様ですか」
「ああ、そうさ」
そのことは確かに言うのだった。
「けれどあと五機か」
「楽しみにしておく?」
「そうね」
今度はこう彼等の中で言い合うのだった。
「今はね」
「そういうことで」
「さて」
一通り話したうえでまた誰かが言った。
「とりあえず話は終わったし」
「新たなメンバーも加入したし」
この二つの前提が話される。
「また派手に」
「親睦を深めて」
昨日と同じ展開になろうとしていた。
「飲みますか」
「今日は何食べる?」
「バーベキューがいいんじゃねえか?」
トッドが不意にバーベキューを出してきた。
「丁度いい天気だしな」
「そうね。それなら皆美味しく食べられるし」
「食材だけれど」
「ウラジオストクの基地は今物資が集積しています」
テッサはこう一同に告げた。
「無論そこには食料も」
「それじゃあやっぱり派手に」
「やりますか」
そういうことになりそうだった。今まさに連日の宴がはじまろうとしていた。しかしその時だった。
不意に警報が鳴った。それは。
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