第十三話 鏡月
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カーディナルの命令に基づき。 オリジナルを除く、全てのユイシリーズを削除させてもらいます。
今回はその通告に参りました」
そんなことを、淡々と口にした。
つまり、システム的に、危険因子、ウイルスと判断し、オリジナル以外を全て削除するという方針で決定したということなのだ。
当然、これは三体のユイシリーズを従えているザサーダにとっては厄介以外の何者でもなく。
想定しうる最悪のパターンだった。
だが、ザサーダは、笑みを崩さない。
「わざわざ報告ありがとう。 我々はそのシステムの方針に従うだけだよ」
そんなことを淡々と口にするザサーダに、ユイスリーは何の疑問も持たず。
「では、早速ですが、実行させていただきます」
そう言って、そのプログラムを実行した。
ユイスリーを中心に、何かグラフィックが歪んだかと思うと。
その場にいたファイブ、シックスの体がデータの海へと還っていく。
「…………ッ」
「…………」
しかし、彼女達は何も語らず、なされるがまま消える。
そして、ユイスリーの隣にいたユイフォーも削除され。
最後に、ユイスリーも、データとなって消滅した。
そして、その空間に残ったのはザサーダのみ。
ザサーダはしばしの間、無言でいたが。
ゆっくりと、口元を歪ませると。
「フ、フフ、フは、ははははは!」
何か耐え切れなくなったように笑い出し。
「アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハッ!!!!!」
最後にはダンジョン内全てに響き渡るかのごとく大声で笑った。
暫くの間、そうして一人で笑った後。
ゆっくりと息を吐いて、深呼吸した後。
「ああ、完璧だ。 これで完成した」
そう言って、アイテムレジストリを開くと、五つのアイテムを眺めて笑った。
それは、紛れもなく、ユイツー、ユイスリー、ユイフォー、ファイブ、シックス。
彼女達は、確かに削除された。
だが、ザサーダの手元にある。
それは単純な話、ザサーダが予め、ユイツー、ファイブ、シックスにおいては、コピーし。
ナーヴギア内に保存していたためである。
さらに拡張子とプログラムの一部を変更し、削除対策を組んだ。
残るスリーとフォーにおいては、コピーしたファイブ、シックスを立たせておくことで。
スリーとフォーがこの空間に訪れた瞬間に、データをスキャンしたのだ。
ザサーダとしては、このスキャンがバレず、間に合うかどうかが勝負だったのだが……。
なんとか間に合い、ザサーダの手にコピーデータが手に入った。
当然、ザサーダはそれをそのまま使うことはしない。
「元々彼女達は全て欠陥品。 己の存在意義との葛藤の末、何かが歪んだり、欠落したりした存在。
ユイツーは理性を。 ユイスリーは感情を。 ユイフ
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