第十三話 鏡月
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そうだったからな。 今回は許す」
そんなことを言って、そっぽを向いた。
そんなナイトを見て、レイカは小さく笑い、シャムは肩を落として、安堵する。
これで、ユイツーのコピーデータは文字通り、全て削除された。
つまり、クエストは達成、ということである。
「さて、お騒がせしてすまなかったね」
シャムは近くにいたトリシルへと言葉をかけると。
トリシルは何処か吹っ切れた顔で。
「いや、寧ろ感謝してるくらいだよ。 これで大事になっていたらと思うと、ゾッとするからね」
そう言って、シャムに軽い笑みを投げかける。
シャムはそれに答えて笑みを浮かべた後。
トリシルに向けて、アイテムレジストリから一本の槍を取り出し、それを渡した。
「……これは……?」
見たことのない武器に、トリシルは戸惑いながらその武器を眺めると。
何かに気づいたように、目を見開いた。
そんなトリシルに対し、シャムは満足した顔で。
「それは私なりの君への餞別だよ、トリシル君。 いや、トリシューラ君。
その名前、それで槍使いときたら、君にはこの武器が似合うと思ってたんだ。
一応、レア武器だから大切にしてくれよ」
三ツ又に別れたその先端、そして武器についているその説明文。
名前こそ違うが、それは……。
トリシルが憧れた、その武器だった。
すぐにトリシルはシャムへと視線を向けるが。
シャムは言葉はいらないと言った態度で、トリシルに向けて右拳を突き出すと。
「頑張れよ、中層プレイヤー」
それだけを口にする。
それに答えるように、トリシルも、薄く笑って、右拳を突き出し、シャムのそれと合わせる。
「ああ、すぐに追いつくさ。 攻略組」
そう言って、互いに何か通ずるものを感じた後、別れを告げた。
その後、スユア達はユナ達と別れ、宿屋にてアルス達を待つ。
暫くしてやってきたアルス達と合流し、クエストを正式に終了させる。
その後、ユイスリーとユイフォーはそのまま何処かへ転移していく。
これで、問題だったユイツー騒動は幕を閉じたのだった。
――――――
とあるダンジョン内にある圏内エリア。
そこで、ザサーダとユイ達は待っていた。
現れる二つの人影を。
何処からもなく転移してきた人影は、ユイスリーとユイフォー。
それを見て、ザサーダは、特に焦った様子も見せず、ただ薄く、冷たい笑みを見せていた。
対して、機械的な態度でユイスリーは自己紹介を始める。
「始めまして、私は――――」
「ああ、大丈夫、知ってるよ。 目的もね」
そこで、ザサーダが静止をかける。
そんなザサーダに対し、ユイスリーとユイフォーは互いに顔を合わせた後。
「では、早速ですが。
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