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26歳会社員をSAOにぶち込んで見た。
第十三話 鏡月
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そうだったからな。 今回は許す」
 そんなことを言って、そっぽを向いた。
 そんなナイトを見て、レイカは小さく笑い、シャムは肩を落として、安堵する。
 これで、ユイツーのコピーデータは文字通り、全て削除された。
 つまり、クエストは達成、ということである。
「さて、お騒がせしてすまなかったね」
 シャムは近くにいたトリシルへと言葉をかけると。
 トリシルは何処か吹っ切れた顔で。
「いや、寧ろ感謝してるくらいだよ。 これで大事になっていたらと思うと、ゾッとするからね」
 そう言って、シャムに軽い笑みを投げかける。
 シャムはそれに答えて笑みを浮かべた後。
 トリシルに向けて、アイテムレジストリから一本の槍を取り出し、それを渡した。
「……これは……?」
 見たことのない武器に、トリシルは戸惑いながらその武器を眺めると。
 何かに気づいたように、目を見開いた。
 そんなトリシルに対し、シャムは満足した顔で。
「それは私なりの君への餞別だよ、トリシル君。 いや、トリシューラ君。
その名前、それで槍使いときたら、君にはこの武器が似合うと思ってたんだ。
一応、レア武器だから大切にしてくれよ」
 三ツ又に別れたその先端、そして武器についているその説明文。
 名前こそ違うが、それは……。
 トリシルが憧れた、その武器だった。
 すぐにトリシルはシャムへと視線を向けるが。
 シャムは言葉はいらないと言った態度で、トリシルに向けて右拳を突き出すと。
「頑張れよ、中層プレイヤー」
 それだけを口にする。
 それに答えるように、トリシルも、薄く笑って、右拳を突き出し、シャムのそれと合わせる。
「ああ、すぐに追いつくさ。 攻略組」
 そう言って、互いに何か通ずるものを感じた後、別れを告げた。



 その後、スユア達はユナ達と別れ、宿屋にてアルス達を待つ。
 暫くしてやってきたアルス達と合流し、クエストを正式に終了させる。
 その後、ユイスリーとユイフォーはそのまま何処かへ転移していく。
 これで、問題だったユイツー騒動は幕を閉じたのだった。




――――――




 とあるダンジョン内にある圏内エリア。
 そこで、ザサーダとユイ達は待っていた。
 現れる二つの人影を。
 何処からもなく転移してきた人影は、ユイスリーとユイフォー。
 それを見て、ザサーダは、特に焦った様子も見せず、ただ薄く、冷たい笑みを見せていた。
 対して、機械的な態度でユイスリーは自己紹介を始める。
「始めまして、私は――――」
「ああ、大丈夫、知ってるよ。 目的もね」
 そこで、ザサーダが静止をかける。
 そんなザサーダに対し、ユイスリーとユイフォーは互いに顔を合わせた後。
「では、早速ですが。
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