第十三話 鏡月
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した。
この時点で、ユナは先ほど引いたスペードの10、そして初めからあるスペードの11、そしてスペードの1。
残り二向聴でロイフラが完成する。
しかし、そのためにはダイヤの8とハートの5を捨てなければならない。
一見、この二枚は全く無害なカードに見えるが、そうでもない。
スユアの手札だけ、未だに見えていない。
これだけでも、ユナにとっては十分すぎるほど脅威だった。
そもそも、この時点でユナには4カードのオープン一発以上でなければ勝つ算段がなかった故に、もう目指すところはストフラかロイフラである。
次順、レイカ、ここでハートの1を引き、ロイフラオープン立直一発。
63000点を確定させる。
これで、残るはユナとスユアだけとなった。
次で上がった方が勝つ。
最早、これは確定であり、ナイト以外の全員はわかっていた。
スユアはカードを引き、なんと、ここでスペードの9を捨てる。
ユナにとってこれは戦慄する出来事だった。
ここで鳴ければ上がる確率は格段に上がる。
しかし、鳴いた時点で門前ではなくなり、オープンリーチが出来ない。
最大4万点。
相手がロイフラで63000点以上で上がった時点で、こちらには4万点で上がるなどという選択肢はない。
差異の4万を埋めるためには、合計で103000点以上。
つまり、55000点以上を要求されている。
これは、ロイフラでオープン一発。
もしくは……海底を使ったストフラオープン以上。
海底さえ使えば加算役が2つになり、オープンで20000点、海底で10000点、そしてストフラで25000点。
これでジャスト55000点である。
しかし、今、9で鳴けばもう勝ちはない。
同時に、ユナに逃げ道はなくなる。
だからこそ、ユナは鳴かなかった。
目指すは、ロイフラオープンのみ。
難易度が格段に高いそれに、挑戦するユナのその思いが実ったのか。
引いたカードは、スペードの12!
これでテンパイ状態である。
オープンが可能となり、スペードの13待ち状態となる。
だが、ここでユナはすぐにオープンはするべきでないことを知っていた。
麻雀と同じで、リーチ後は手役を変えることが出来ない。
故に、もしスユアがオープンをかました場合。
ダメだとわかっていても、差し込んでしまう可能性が大いにあるからだ。
そして、スユアもそれを理解していた。
スユア、手札に既にダイヤの10、11、12,13を揃えており、残るはダイヤの1のみ。
しかし、スユアは別にそれでなくてもいい。
ダイヤの9でも、ストフラとなり、点数的な勝ちは確定する。
さらに、スユアは別にオープンという危険を冒さなくても、勝てるのだ。
だが、だがっ
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