第十三話 鏡月
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か、43000点の差は一気に消え、劣勢となった。
その差、40000点!
「……っっ!!!」
トリシルはこの状況に、ただ、唖然とだけしていた。
最早、次の一回で取り返すのは難しい。
それも、ナイトはついていても、自分が上がれないからだ。
トリシルは責任を感じ、息苦しいプレッシャーを感じていた。
「な、あ、ジュ……ジュースを、奢ってやろう……」
そして力なくそんな台詞を口にするナイト。
それとは対照的に、レイカとスユアは、笑みを浮かべていた。
そして迎える、最終戦、第六戦目……!
カードが配られる直前、その変化は起こった。
「トリシル。 私が代わるよ!」
突如、トリシルに対し、ユナが名乗りを上げたのだ。
そんな不測の事態に、トリシルは目を丸くしてユナを見上げる。
「ユナ……君で大丈夫なのか? 見ての通り、こっちはボロボロで、勝てるかどうか……」
トリシルのそんな言葉に、ユナはニタ、と意地の悪い笑みを浮かべた後。
「トリシル、大事なことを教えてあげるよ。 勝負ってのは、最後までわからないから勝負なんだぜ!」
グッと親指を立ててポーズを決めるそんなユナに、トリシルは暫く唖然とした後。
「……わかったよ。 後は任せたよ。 ユナ」
そう言って、席を経ち、ユナへと譲った。
席へとついたユナは大きく一息吸うと。
両手で己の顔をパシン、と叩き、気合を入れて笑みを浮かべる。
「さぁーて、そこの姉ちゃん達二人に教えてやるよ。 大人のギャンブルってやつをね!」
そんなユナの台詞に、その場にいた全員は、いや、お前がそれを言うなよ、と突っ込みたくなったが。
ユナから放たれる、その気迫に押し黙った。
第六回戦はそんな全員がユナに気迫負けしたところから始まった。
それぞれのプレイヤーに始まりの五枚のカードが配られる。
実は雀カード、既にこの時点でそれぞれの運の良さ、引きの強さが問われ、作れる役が限定される。
最も、一番理想的な手札というのは……。
この四人の中で、やはり一番の剛運、ナイトの初手手札。
ハートの2、ダイヤの2、クローバーの3、ハートの3、そしてハートの4!
既にこの時点でフルハウスがテンパイ状態であり、ストレート、フラッシュのどちらにも切り替えが可能。
本来なら超強力であり、変幻自在の手札であるのだが、この時点で多大な点数差がついている以上、ナイトに選択の余地はない。
フルハウスやストレートは所詮10000台で、オープン立直一発をしたところで最大でストレートオープン立直一発、さらに特典つきで51000点。
この時点でユナが60000点以上の点数で上がらなければ危険な領域となる。
しかし60000点以上というのは、ロイフラでオープン以上。
それ
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