第十三話 鏡月
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俺の顔をかするように、ヘヴンからナイフが放たれ、地面に突き刺さった。
唖然とする俺に、ヘヴンはゆっくりとこちらに視線を移すと。
「勘違いするなよ。 助けたことは事実だが。 それはお前のためじゃない。 私のためだ」
ヘヴンはそれだけ口にすると、鏡月が残していった大剣を回収し始めた。
……ツンデレかなんかか?
そんな疑問が一瞬脳裏に過ぎったが……どうも、違う。
「……なんだ、ヘヴン。 お前は俺をPKでもしたいのか?」
部位欠損がようやく回復し、グリュンヒルを持ち、立ち上がりながらそう口にすると。
ヘヴンは暫く黙った後。
「そうだな。 間違いではない。 だが、今はその時じゃないだけだ」
そんなことを、口元を吊り上げながら言った。
「こいつはどうも……生きた心地がしねぇな。」
俺はそんなことを言いながらも。
歪んでいる自らの口元に気づいていた。
俺は、こいつといずれか決着をつけなければいけない。
そんな使命感や願望が心の何処かにあるのだろう。
それが何故かはわからないが。
だが、それも悪くないと思った。
まぁ、それは兎も角として、これで俺達の方は終わりだ。
あとは、レイカ達の方だけだな。
「まぁいい、ヘヴン、ユイスリー。 行こうぜ。 残るはレイカ達の方だけだ」
そう言って一歩踏み出すと。
俺の隣にヘヴンが歩み寄ってきた。
「……そうだな。 行くとするか」
ヘヴンはそう言いながら、いつも通りの表情で歩き出す。
俺と同じ速度で、俺と違う表情で。
――――――
とある宿屋の一室。
そこに机を囲むように四人。
レイカ、スユアそしてトリシル、ナイトの四人が座っていた。
それを囲んで眺めるように、ユナ、ファルコン、ござる、シャムが立ち、それを見物していた。
その中で、スユアはニタりと笑いながら、我が物顔で机に一枚の紙を出し、それを説明していた。
その内容を要約するとこうだ。
基本概要
・基本2vs2でのチーム戦。
・ジョーカー含む54枚で行う。
・開始時にはそれぞれにランダムに五枚のカードが配られ、残りは山札とする。
・手札のカードを基本的にポーカーに従った役を作る。
・ただしポーカーのようにいらない札は一気に捨てず、一枚づつ、表向きにして捨て札とする。
・捨て札は山札を中心として自分の前に置く。
・この捨て札は麻雀のようにロン、チー、ポン、カンが可能。
・ロンをしてもロンした人間から点数を取ることはない。
・カンをした場合、その時点で4カードの役が成立し、その時点でその人間は上がりとする。
・一度上がりを宣言した人間はそこから役は変えられない。
・リーチが可能、役に点数が加算される
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