第一章 無印編
第十七話 『決戦! 虹色の輝き、迸る極光!』
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雷撃を放ってくる。
どうしてそこまで必死なのか。
だがシホ達はプレシアのその執念の意味を次の言葉で知る。
「どうして…どうして娘にもう一度会いたいという願いも許されないの!?」
ついにプレシアは本音をぶちまけた。
(…そっか。プレシアにしてみれば理不尽な事なのね)
シホはプレシアの願いは歪んでいるが、同時に実に純粋なものだと納得した。
だけど数多の犠牲を出してまで得る結果なんて悲しいもの…。
「なぜ世界はことごとく私とアリシアの間に介入してくるの!?
私はただもう一度アリシアの笑顔が見たいだけだというのに…!
私からアリシアを奪い、生き返らせる事をも邪魔してくる…なんでこんなに理不尽なの!?」
「世界はいつだって理不尽だらけよ…私もそれで幾度となく守ろうとしたものを失ってきたわ」
「シホちゃん…」
「シホ…」
全員がシホの底知れない悲しみのこもった声に涙していた。
だがプレシアは構わず、
「それなら…どうしてあなたは私の邪魔をするの!?」
「当然よ。プレシア・テスタロッサ…あなたが行おうとしている事を見逃せば多くの人達が次元震に巻き込まれて死んでしまう。
だからそれをさせない為にも私はあなたを止めようとした。そうすれば犠牲は出ずにすむ…」
「…そう」
プレシアは小さく呟き、その目に狂気を宿す。
それはとても暗く深い底なし沼の如き闇のようだ。
憎しみの感情が周囲に溢れてくる。
そして突然左胸を押さえて思い切り握り締める。
すると胸から青い光が点滅し始める。
「…? まさか! プレシアは胸にジュエルシードの制御装置を仕込んでいたの!?」
「今更気づいてももう遅いわ…! 私は、アリシアを奪おうとするもの、たとえ世界だろうとすべてを否定するっ!!!」
「やめなさい!」
シホの声も虚しくプレシアは制御装置を暴走させてしまった。
暴走したプレシアは所構わずに雷撃を放ちそれは当然シホ達に向かうが、シホがそれを宝石剣で一閃。
「クロノ! みんなをもう少し安全な場所まで避難させて! 暴走を止めるわ!」
「できるのか!?」
「やってみせるわ…!」
シホはそう言うと右腕を上げて、
「投影開始!」
その右手に武器としては効率が悪すぎる歪な短剣が握られる。
全員はそれを見て、この事態に何をするのかと思い見守ったが、事は単純。
その歪な短剣をプレシアに向かって投擲したのだ。
「なっ!? ただの投擲であの強力な雷撃を突破できるわけがない!」
「いえ、あれならどんな魔法だろうと突破する…殺傷力は皆無に等しいけどね。あれには最高の効果があるわ」
「お姉様! その効果って…!?」
「見ていれば分かるわ」
シホに施され見れば短剣は
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