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ソードアート・オンライン〜黒の剣士と紅き死神〜
After days
summer
水城家潜入
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ないか?」

「あんたのせいよ。あたしが昨日、真面目に質問したのに適当にはぐらかしてくれちゃって!!」

「昨日……?……あ」


螢がポン、と手を叩いて納得の表情を浮かべる。


「いや……な。悪かったよ。正直言うと、アレは嘘じゃないんだ。昨日、ああ言ったのは……その、恥ずかしくてな……」


決まりが悪そうに頭を下げる螢。里香もあっさり謝られたことに少し、呆気にとられているようだった。


「ふ、ふん。分かればいいのよ」


こうして、『螢をちょっとギャフンと言わしたろう同盟』の最終目的は完遂した。







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それからは他愛のない話をして、それぞれ家路についた。
用事を思い出したというレオンは先に帰り、自分と和人と里香は螢に駅まで送ってもらっていた。


「ねえ、螢君」

「何だ?」

「里香から聞いたんだけど、『一生に一度しか恋はしない。それは永遠の片想い』って、どうゆう意味なの?」


もしかしたら、訊いてはいけないことなのかもしれなかった。
だけど聞かずにはいられなかった。あの寂しそうな表情の意味を知りたかった。


「……その通りの意味だ。俺は一生に一度の恋しか、しない。2度目は無いってことだ」

「……どうして?」


声は返って来なかった。人通りの少ない道に4人分の足音が響く。

しばらくして、螢が口を開く。
静かだが、確かな口調で、ただ寂しそうにその理由を告げた。


「……アスナを助けなければ、キリトは現実に帰って来れなかった。それと同じで、俺は大切な人を助けなければ、ここより前へ進めない。それだけだ」


駅までの最後の角を曲がり、駅前の喧騒が押し寄せてくる。


「また、明日な」

「……うん。ばいばい」

「おう。じゃあな」

「じゃあね〜」


駅の入り口で後ろを振り返る。螢はまだ、別れた場所に立っていた。やがてその姿も人混みの中へ消えた。

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