After days
summer
水城家潜入
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…」
「でっか……」
簡単の声をあげるレオンと里香。確かに巨大だ。どう見ても、人が入るための門ではない。
「あれ、螢君は?」
「あ……」
門に目を奪われている間に肝心の螢がどこかへ消えてしまった。
「でも、あの門の家だよね?あの前まで行ってたし」
「表札ぐらいあるんじゃないか?行ってみようぜ」
「残念ながらうちは表札出してないんだ」
「え、何でだ?」
「あのでかい門が表札代わりだからな」
「なーる…………って、おわぁ!?」
後ろを向くと、どこからか湧いて出た螢が呆れた眼差しを向けていた。
「何か用か?」
「えっと……、どうやって後ろに?」
「秘密。……ていうか、やっぱり付けてたのか……」
「「「「うぐっ……」」」」
螢は、はぁ、とため息を吐くと門に向かって歩き出した。
「……せっかくだから上がっていけば?」
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門を潜ると(脇に普通サイズの扉があった)、中は奇妙だが、広い庭だった。
向かって右には芝生の庭。左は細かな砂利が敷き詰められた場所と硬い土の場所がある。石敷の通路を真っ直ぐ歩いて行くと、『館』があった。
所々が二階建てになっているが、とにかく横長な家だった。
「……螢の家ってもしかして金持ち?」
「ん……まぁ、実家は金持ちだな」
「ふ〜ん。何か事業でもやってるんだ?」
「そうだな」
あまり、その点では触れられたくないのか、素っ気なく返す螢。
確か、茅場晶彦が言ってた―――
「……ねえ、和人君。団長の言ってた……」
「ああ……多分本当のこと、なんだろうな」
『日本で制限されている軍事産業。そのうち、各国へ傭兵派遣を専門としている企業があると聞いた。私は最後の希望を経営者である水城家に託したのだ。結果は良いものだった。水城家は表では有名な武家の末裔で名が通っていて、実戦的な剣術を警察や自衛隊に指導していた。御当主の紹介で彼に会ったのはその時だよ』
その時は頭が混乱していて、何を言っているのかは全く分からなかった。だが、今ならば―――
「でも、そんなことは関係ない。俺達の知ってる螢が偽者なんてことはないからな」
「そうだね……」
その時ガラッ、と戸が開き、中から長身の男性が出てきた。
「おりょ?後ろの人達は何だよ」
「学校の友達だ」
「ああ。……っていいのか?連れてきて」
「いいんだよ。それより、いきなり出てきて挨拶もしないのはどうか
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