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ソードアート・オンライン〜黒の剣士と紅き死神〜
After days
summer
水城家潜入
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次に開けた時は目から哀愁の光は消えていた。


「……聞いちゃいけなかったかな……?」

「いや、何でもない。というかお前、今の話を信じたのか?」

「はい?」

「冗談だ」


にやり、と笑うと食器の返却棚に向かって去っていき、ひょいっ、と食堂から消えた。


「あ……あいつ〜〜〜〜!?」


からかわれたと気が付いた時にはもう時すでに遅しだった。








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Side和人



「―――というわけなのよ」


まあ、螢ならやりかねないが、そこまで怒ることなのだろうか。生憎、こちらは女性の心が分かっていない、と教壇で熱弁を奮っておられるリズベット先生からのお墨付きの思考の持ち主だ。


「里香。要するに、螢をギャフンと言わせればいいのかしら?」


凛が律儀に手を挙げて(ただし、許可を得る前に)発言する。


「そうね、理想としては、何かあいつの弱味を握ってしゃべらせるのがベストね」

「……怖いよ、里香さん」


冷や汗を滴ながら狼李がげんなりしている。と、


「よしやろう」


レオンがガタッ、と立ち上がってノリノリな様子で言う。


「あいつには日頃の恨みつらみがあるからな。ここらで一矢報いねば気がすまない!」

「さすがレオン!やっぱり気が合うわね!」


ここに『螢をちょっとギャフンと言わしたろう同盟』が結成された。










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だが、その同盟に参加した(させられた)人数は少なかった。

里香、レオンが首謀者。半強制的に引き込まれた俺、明日奈はため息を尽くばかりだ。


「……で、具体的にはどうするんだよ」

「「尾行」」


これが志を共にした者達の以心伝心というやつだろうか……。ベクトルがおかしい事を除けば無駄にすごい。

こんなくだらない事に巻き込まれてていいのか、という視線で明日奈を見ると、明日奈は意外にも微笑んでいた。


「なあ、明日奈。別に無理に付き合わなくたっていいんだぜ?」

「大丈夫だよ。ちょっと気になることもあるしね……」

「そう、か……」






明日奈が現実世界に帰還したあの雪の日の帰り道。



俺は螢に家まで送られた。名目は須郷に精神操作を受けたやつがまだいるかもしれないから、念のため。ということだったが、本当の目的は俺に自分の事について知っておいてもらう、ということだったのかもしれない。

茅場晶彦と出会っ
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