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第二話 桜色、太陽
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注いでいた射撃が止む。
わずかに訝しむが、そんな時間すら惜しいとすぐに走り出す。
けれど、いきなり後ろから桜色の光が溢れだした。
それはあまりにも強い輝きで、男は何事と思い振り返る。

男はこの時の行動を生涯後悔する。
何故、そこで振り返ってしまったのかと。
振り返らずに逃げ続けていた方が、幸せなままだったと。
何も知らないままに、牢屋に入ることができたと。
そんなふうに悔み続けることになる。

振り返った先には、無数の星々があった。
数えるのも嫌になるほどの星々。
夜の空に瞬く星空のように視界を埋め尽くす星々。
男はかつて魔導師のはしくれだった。
だからこそ、この星々の意味が分かる。
この先にできるものが。
その結果が。

「星よ、集え―――。」

化け物が、『最終兵器』が、言葉を紡ぐ。
嫌な予感は的中する。
男の予想した結果は現実に変わった。
無数の星々が集い、そこにできたのは、桜色の太陽だった。

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