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第二話 桜色、太陽
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人気の高そうな容姿をしていた。しかし、その表情からはにじみ出る苦労人気質とでも言おうか、やつれたような、疲れたような。そんな雰囲気がにじみ出ており、その雰囲気ゆえに少年を老けた印象にさせていた。
「どうした、グレイル。」
グレイルと呼ばれた映像の少年は、その栗毛の少年の何でもないかのような態度に対し怒鳴り返す。
『どうしたもこうしたもあるか!この馬鹿誠也が!いきなり出動したと思ったら、さっさかとおっぱじめやがって!明らかにやりすぎだろうが!ディバインバスターの一発でもぶち込んでさっさと帰還しろ!』
そんなグレイルの発言に、誠也と呼ばれた栗毛の少年は、分かっていないとばかりに呆れた表情を返す。
「いやいや、それじゃあだめなんだよ、グレイル。あの人は俺のディバインバスターを防いだんだ。だからさ………、全力をぶち込まなきゃだめなんだよ!」
会話の間も決して途切れさせなかった球体を突如消し去り、誠也はその構えを変える。
『………ちょっと待て。まさか……あれか?』
「そうだとも!グレイル!ご明察だ!」
『ちょっ、待てばか!許可とってねえんだぞ!』
顔面を蒼白にしたグレイルが叫ぶが、誠也は決して止まらない。
次の瞬間には誠也の周りに桜色の小さな球体が現れ始める。
それは徐々に数を増やしていき、最後には星の数と言えるほどの数となった。
そして、ここから誠也の最大の魔法が始まる。
その『最終兵器』と呼ぶにふさわしき、最大の魔法が。

「星よ、集え―――。」

無数に散らばっていた桜色の星々が誠也の眼前に集っていく。
それはさながら、宇宙開闢の時、小惑星がぶつかり合って大きな星を形成していくそのプロセスのようであった。
時間にしてわずか数秒。
開闢の歴史をなぞり、そこには桜色の太陽が出来上がっていた。


男は絶望していた。
その絶対的な力量の差に。
何とか全力防御で今も立ってはいるものの、それは自分に一度も直撃していないからで、直撃していれば一撃で沈んでしまうほどの攻撃が自分の周囲に降り注いでいた。
魔法使い、魔導師としての絶対的な実力の差。
それは周囲の惨状が物語っている。
わずか数秒、数十撃の攻撃で地形すら変えてしまう化け物を相手に、例え類稀と言われようと、所詮凡百で終わった自分がどうやって対抗しろというのか。
無理、無茶、無謀。
そんな言葉が頭をよぎる。
今の男には、あきらめてこの先一生牢屋で過ごすことを選択するか、一縷の望みに賭けて逃走を選択するか、その二択しかなかった。
ならば、逃げる。
男はそう決めて、逃走を開始する。
防御は自分の周囲に全力展開。
幸い、誘導が弱いのでうまくかわせば直撃は避けられる。
逃げ切れれば俺の勝ちだ。
そう思って、全力で逃走していた。
そんな時、ふと大量に降り
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