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機動6課副部隊長の憂鬱な日々
第103話:私たち、結婚します!(1)
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のだが、
キャロの姿が見えなくなったころに、背後から誰かが走ってくる音がした。
振り向くと、フェイトが慌てた様子で走り寄ってきた。

「ゲオルグ! キャロを見なかった?」

「キャロなら、あっちに行ったぞ」

俺がキャロの走り去った方を指差してそう言うと、
フェイトは猛然と走りだした。

「キャロと何かあったのか・・・って、もう居ねえし」

キャロの走り去った方へ同じく走り去ったフェイトの背中を見送ると、
俺は肩をすくめて、メインハッチに向かって歩き出した。





アースラを出て車のところまで行くと、車のそばでぽつんと立つなのはの
背中が見えた。

「ごめん、なのは。待たせたか?」

俺が声をかけると、なのはは振りむいて首を横に振る。

「ううん。私もさっき来たところだから」

「そっか。じゃあ、帰るか」

「うん」

車に乗り込み、隣に座るなのはがシートベルトをするのを確認して
俺は車を発進させる。
港湾地区を出て、クラナガン市内へ出る幹線道路まできたところで、
俺はなのはに話しかけた。

「実はさ、さっき母さんから電話があったんだよ」

「そうなの? お母さんは何て?」

「週末は帰ってくるのか?だってさ」

俺がそう言うと、なのははその両目を瞬かせる。

「帰るの?」

「そのつもりだよ」

「そっか・・・」

なのはは小さくそう言うと、目線を落として黙りこむ。
再びなのはが口を開くのを待っていると、なのはが喋り始めた。

「ねえ、私も行っていい?」

「はあ?」

ちょうど赤信号で車が止まっていたこともあって、
まじまじとなのはの顔を見てしまう。
なのはの表情は真剣そのもので、冗談を言っている様子は微塵もない。

「何言ってんだよ」

「前にも言ったけど、ゲオルグくんのご両親やお姉さんには早めに
 挨拶しておきたいの。年末年始には地球に行くんだし」

「そうだな・・・」

俺は車を走らせながらぼんやりと考える。
気になっているのは姉ちゃんのことだった。
体調が安定しているとはいえ、退院してまだ10日だ。
前の週末に帰った時の様子を思い返す。

(父さんや母さんもそんなに大変そうじゃなかったし、
 姉ちゃんも退屈そうにしてたくらいだからな・・・)

俺は結論を出すと、赤信号で車を止めたのに合わせてなのはに話しかける。

「姉ちゃんが退院してから間がないから、ちょっと不安ではあるけど
 この前帰った時の様子からすれば大丈夫だと思う」

「なら・・・」

俺の方を窺うように見るなのはに向かって頷く。

「一緒に行こう。ヴィヴィオもつれてな」

俺が最後に言った言葉に、なのははそ
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