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リリカルってなんですか?
A's編
第三十話 裏 後 (シグナム、アリサ)
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怖に縛られていたような頭も。

 シグナムは、ザフィーラの短い言葉の意味を理解していた。

 ―――たかが、一撃。

 だが、その一撃に込めた魔力はシグナムの全力全開。その中で女性と隔絶した魔力の差を感じた。今はなぜ、ザフィーラの魔法によって拘束されているのかわからないほどの魔力。彼女の魔力であれば、力づくでも一瞬で拘束から逃れられるはずである。もっとも、今はそんなことを疑問に思っている時間はないが。

 確かにヴィータのことは悔しいし、敵とてとってやりたい。しかし、今は無理である。玉砕覚悟でも無理だろう。それでも何もなければシグナムたちは敵を取るために死力を尽くしただろう。だが、今の彼らには守るべきものがある。おそらく、ヴィータもともに守りたかったであろう最愛の主が。最期の言葉となったヴィータのごめん、という謝罪の言葉は共に主を護れなかったことへの謝罪だろう。

 守護騎士たる彼女が主を最後まで守れないというのはどれだけ無念だっただろうか。少なくともシグナムには想像することはできない。だからこそ、この場で死力を尽くして一矢報いることがヴィータを弔うことにはならない。彼女から、あらゆる敵から彼女を護ることこそがおそらくヴィータへの最大の弔いになるだろう。

 だからこそ、ここは逃げる。もちろん、あとを追えないように回り道をしながらになるだろうが。

 シグナムは改めて、未だに女性が拘束されていることを確認しながらゆっくりと撤退のために空に浮かぶ。当然、女性からは目を離さない。背中なんて見せられない。もしも、彼女が拘束されているのが演技であれば、背中を見せた瞬間にシグナムたちはやられるだろうから。だから、背中を見せないように慎重に撤退しようとして――――

 ―――それが不可能であることを知った。

「――――っ!!」

 入る時は薄かった結界の強度が信じられないほどに強固になっていた。確かに入る時もそれなりに強固だったが、今はそれに輪をかけている。少なくとも入る時と同じような手法で外に出ることは不可能だった。

 なぜっ!? という驚愕の表情を浮かべながらシグナムとザフィーラはおそらくこの結界を張った主であろう女性へと目を向けた。結界を確認するだけの一瞬だけだったにも関わらず、彼女はすでにザフィーラのバインドから逃れており、悠然とその場に佇んでいた。まるで嘲笑するような笑みを浮かべながら。そんな彼女が口を開く。

「……あははっ、逃がすわけないでしょう? ショウくんを傷つけようとしてるんだからっ!!」

 シグナムたちには彼女がいう『ショウくん』が誰かはわからない。ただ一つだけわかったことは、少なくともこの場から逃げられないということである。

「私が時間を稼ごう。お前のシュツルムファルケンならば、この
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