雪蓮×俺=本当の気持ちって気付くのに随分と時間がかかるよな……。
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え込む。
その間に頭に浮かんでくる、数々の映像。
太陽のように輝いた笑顔で駆け寄ってくる雪蓮。
酒に酔っぱらって、俺を道連れに城中を駆け回る雪蓮。
小さな頃に、雷にビビッて泣きながら俺に抱きついてきた、雪蓮。
…………あ。
そういう、ことか。
「雪蓮。俺の話を聞いてくれるか?」
「……? なによ、私の質問にはまだ答えてないわよ?」
「……わかったんだよ。俺が、お前の傍にいる理由が」
「ぇ……?」
キョトンとする雪蓮を見つめながら、俺はいたって真面目な顔で、今しがた判明した俺の気持ちを、目の前の少女に伝えた。
「俺が……お前のことを、好きだからだよ」
「…………!!」
「ずっと不思議だったんだ。お前といると何故だか幸せな気持ちだったし、いつもとは違う、素直な気持ちになれた。お前と話しているときは、いつだって心からの本音を言い合えた。……それは、相手がお前だからだったんだよ」
「…………」
「母さんに言われたからとか、そんなの関係ない。俺はただ純粋に、大好きなお前の傍にいたい。いつまでも、隣でお前を支えていきたいんだ。…………そんな理由じゃ、駄目か?」
「……ひょう、かぁ……!!」
そして、雪蓮は泣きじゃくる子供の様に、俺の背中に回している腕に力を込めてくる。
答えの言葉なんて、いらなかった。
俺は涙を止めるように軽く背中をポンポンと叩くと、雪蓮の顎を指でそっと持ち上げた。
「…………ん」
俺の考えを読み取った雪蓮が、そっと目を閉じ、顔を俺の方へと突き出す。
俺はそれに釣られるように――――――――――
彼女の唇へと、そっと顔を近づけていったのだった。
☆
そして次の日。
俺は仲間達と一緒に、城の出口へと集まっている。
あの後、俺は雪蓮に自分の考えを話し、決心を伝えた。
とある事情で若干疲れ切っていた様子の雪蓮だったが、いつものように俺の考えをすぐに理解し、軽い返事でOKしてくれたのだ。…………おい、今『夜の営みお疲れ♪』って言った奴誰だコラ。
「やっぱり、行くのね?」
「あぁ。世の中の情勢とか、他の武将たちの様子とかをこの目で確かめてきたいからな。……やっぱ、嫌か?」
「少しはね。でも、これは雹霞が私たちの為にやってくれることなんだから、とことん応援するわよっ♪」
「そう言ってくれると、助かる」
あはは、と二人で笑いあう俺達。同時に、お互いの腕に付けている腕輪が振動でカンカンと金属音を上げている。
これは、俺と雪蓮がお互いを忘れないための絆だ。……ぶっちゃけて言うとペアルックだよ悪いか畜生。
雪蓮に続くように、
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