雪蓮×俺=本当の気持ちって気付くのに随分と時間がかかるよな……。
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。
「ひ、雹霞!? な、なんでこんなところに……」
「…………」
いきなり現れた俺に目を白黒させている雪蓮を無視し、スタスタと雪蓮の方へ。
整っていた顔は既に涙でグシャグシャに歪んでいて、子供の泣き顔のようになっている。澄んだ蒼色の瞳も、泣きはらしたせいで真っ赤に充血してしまっていた。
「ったく……せっかくの美人が台無しだろうがよ」
「う、うるさいわね……アンタには関係ないでしょ……早く帰りなさいよ」
「…………はぁ」
「な、なによその人を小馬鹿にしたようなため息は!」
「……お前さ、馬鹿だろ」
「……は?」
おぉー、見事にポカンと大口開けているぜ。
……つーか、コイツ本当にバカだ。なんでいつもいつもコイツは……。
「俺を、頼らねえんだよ……」
「はぇっ!?」
言葉と同時に、ギュッと雪蓮の身体をきつく抱きしめる。
あー……やっぱ雪蓮はいい匂いだな……頭がクラクラしてきた。
当の雪蓮は突然すぎる展開に頭が追いついていない様子で、ただひたすらに顔中を真っ赤に染め、頭から湯気を出していた。
混乱している雪蓮を他所に、俺は再び口を開く。
「……お前、辛いんだろ? 王様っていう重圧に、耐えられなくなりそうなんだろ?」
「……そ、そんなことは……なぃ……」
「嘘つくんじゃねえよこのバカが。俺がお前と何年間一緒にいると思っているんだ? 雪蓮の様子なんて一瞬で把握できるっつうの」
従弟、なんだからよ……。
俺が話している間に少し気持ちが落ち着いたのか、雪蓮は普段通りの調子で、俺の言葉に答えてきた。
「…………そう、だったわね。貴方はいつも私のことをお見通しだった。私がどんな気持ちでも、いつもちゃんと汲み取ってくれてたものね」
「当たり前だ。俺はお前の傍で、お前を一生支え続けるって決めてんだからよ。伯母さん達に言われただろ?」
傍から聞けば明らかにプロポーズっぽい台詞だが、状況が状況だ。そんなことなりふり構ってられねえよ。
「……ねぇ、雹霞」
「……なんだよ」
「雹霞はさ……お母さんに言われたから、私の傍にいるの?」
「……は?」
「だからさ。雹霞は、お母さんに私を支えるように頼まれたから、私の傍にいるの? 貴方個人の考えとか、そういうのじゃないの……?」
何を思ったのか、少し悲しそうな表情で言う雪蓮。
しかし……言われてみれば、俺はどうしてこいつの傍にいるのだろう。
母さんや伯母さんに言われたから。
…………違う。そんな義務的な気持ちじゃない。
雪蓮を放っておくと、碌なことにならないから。
……それも、なんか違うなぁ。別に保護者的な立場でいるわけじゃないし。
だったら……。
しばらく考
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