A's編
第三十話 裏 前 (クロノ、なのは)
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辺の魔導士では太刀打ちできないほどに広い。つまり、武装局員たちを追ってしまった以上、逃げ出す道はないと言っているのと同意である。
そんなことを考えているうちに残りの四匹もまるでアースラから放ったような砲撃を受けて地面へと墜落した。
魔力砲一発で竜を墜落させてしまう魔導士。現実を疑いたくなる情景だ。事実、最初はあんぐりと開いた口が閉じることはなかった。しかし、慣れとは恐ろしいもので、一回で九匹の竜を落としてしまう現実を受け入れてしまっている。武装局員たちも手慣れた様子で地面に落ちた竜たちにバインドをかけている。
彼らも最初は浮足立っていたが、やがて現実を受け入れたのだろう。あるいは触らぬ神にたたりなしといったところだろうか。中には、その圧倒的な力にほれ込んでしまい、なのはを崇めるような武装局員もいたが、強さにあやかろうとしているだけだろう。そうだと願いたい。力という目に見えやすいものを信望する者はいつの時代にだっているものである。
ああ、そんなことを考えている場合ではない。今は気絶しているが、早いところ闇の書に魔力を採取しなければ、彼女の頑張りも無駄になってしまう。竜一匹でかなりのページを稼げるのだ。おかげで、遅延はだんだんと埋められていっていた。もうすぐで最初に計画した通りにことが運ぼうとしていた。
―――このまま、ユーノが手がかりを見つけて終わってくれればいうことはないんだが。
そう考えてしまったからだろうか。クロノが師匠であるグレアムから渡され、この作戦の切り札ともいえるデバイス―――デュランダルを通してクロノに緊急通信が入ったのは。
『クロノくんっ! 大変だよっ!!』
「どうしたんだ? エイミィ」
慌てるエイミィの代わりにクロノは冷静に彼女に問いかける。彼女とてオペレータとしての期間は長いのだ。そんな彼女が慌てるような事態。相当なことが起きていることはわかるが、ここでクロノまで慌てることはできない。嫌な予感がよぎったがそれを隠して努めて冷静にクロノはエイミィに問いかけた。
『はやてちゃんの家に襲撃者っ! 護衛の武装隊は全員やられちゃったみたいっ!』
「なっ!?」
嫌な予感は、嫌な形で的中してしまった。いや、なによりクロノは今の報告が信じられなかった。武装隊とはいえ、それなりの手練れを配置していたのだ。それに万が一に備えて八神はやての周囲にはリーゼロッテかリーゼアリアに護衛についてもらっている。彼女たちすら退けたとでもいうのだろうか。
しかし、そんなことを考えるのは後だ。今は一刻も早くこの場所から八神家へ向かう必要があった。武装隊がやられたということは、残っているのは現地協力者の翔太だけだ。彼一人で武装隊を倒した連中にかなうとは到底思えない。だから、早く向かわ
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