A's編
第三十話
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そう覚悟を決めた時だった。
―――僕と五人の闖入者の間に影が割り込んできたのは。
「そのお方に危害を加えるのはそこまでにしてもらおうか」
それは例えるなら風だった。紫と紅の風。突風のように割り込んできた二つの影は、先頭に立って僕たちに襲いかかってきていた二人を一瞬でたたきのめした。僕が見えたのは一撃。二人とも腹に一撃。彼らの獲物は、西洋剣とハンマーという異色のものだった。
西洋剣の女性は、ポニーテイルとスカートのように広がる甲冑が特徴的であり、もう一人のハンマーの少女と呼べるほどの背丈しかない彼女はゴスロリというようなふりふりのついた真紅の洋服に身を包まれ、エビフライのような三つ編みが特徴的だ。
はやてちゃんを護る僕のように、彼らも獲物を一人は剣を鞘に納刀して、一人はハンマーを肩に担いで闖入者と僕たちの間に立っていた。彼らの足元に転がった闖入者はピクリとも動く気配はない。同時に襲いかかろうとしていた残りの三人は彼女たちが現れると同時に退いていた。どうやら、状況判断も並ではないようだ。
しかし、僕は割り込んできた影の片方を知っていた。あの時、仮面の男に襲われた時に助けてくれたお姉さんだ。だが、僕以上に彼女たちを知っている人が身近にいた。
「シグナムっ! ヴィータっ!!」
その声は歓喜にあふれていた。
もしかして、彼女が言っていたうちの子というのは、彼女たちのことだったのだろうか。だが、それにしては様子がおかしい。はやてちゃんが彼女たちの名前を呼んだのに彼らは全く反応しなかった。人違いか? と思い詳しい話をはやてちゃんに聞こうと後ろを振り向こうとしたときに不意に近くの茂みが動いた。
「覚悟ぉぉぉぉっ!!」
飛び出してきたのは一人の魔導士。距離も非常に近い。もしかしたら、僕たちが外に出てきたときに襲撃するために待ち構えていたのかもしれない。彼は一目散に僕の後ろにいたはやてちゃんに向かっていた。
魔法は―――間に合わないっ! ならば、クロノさんのバリアジャケットがどこまでの防御力を持っているかわからないが、僕自身を盾にするしか……。
そう思って僕ははやてちゃんんを抱きかかえるように守るのだが、いつまでたっても衝撃は来ない。どうしたのだろうか? と恐る恐る後ろを振り向いてみると、そこには僕と襲撃者を隔てるように白銀の盾が存在していた。
「―――油断するな、と言ったはずだ」
そう言いながら、彼女たちと同様に僕と襲撃者を隔てる盾の前に出てきたのは、アルフさんのように蒼い尻尾を持った褐色の男性だった。彼は襲撃者をくだらないものを見るように見下した後、腹部にその僕の胴体ほどはあろう腕から繰り出される拳で沈めていた。
「ザフィーラっ!」
またしても嬉
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