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リリカルってなんですか?
A's編
第三十話
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ら」

 任せてくれ、というような自信ありげな笑みを浮かべるすずかちゃん。その笑みを見ると任せてもいいかな? という気になる。確かにすずかちゃんの心配ももっともだ。僕が話しかけることでアリサちゃんが怒鳴って、自己嫌悪に陥って、僕は責任を感じて謝って、アリサちゃんはまた怒鳴って、と無限ループが発生することも考えられないわけではない。

 それを回避するには別の行動をとることが必要だ。

「……お願いしてもいいかな?」

 もしかしたら、そんなことにはならないかもしれないが、無限ループは一度陥ってしまえば、なかなか抜け出せない。ならば、最初から避けるというのも一つの手だろう。

「うん、任せてよ」

 どん、と胸をたたくすずかちゃんは、満面の笑みを浮かべて僕のお願いを快諾してくれるのだった。



  ◇  ◇  ◇



 クロノさんからはやてちゃんの護衛の仕事を頼まれてから一週間が過ぎようとしていた。季節は冬まっただ中の12月へと移行していた。

 最初は、どうなることか、と思った生活だったが、そんなに変わることはなかった。なぜなら、基本的に昼間は学校に行っているからだ。さすがに学校は休めないことをクロノさんに伝えると彼は快諾してくれた。どちらにしてもなのはちゃんも学校なのだから、その時間は彼らは資料の整理やほかの仕事に充てるとのことだ。

 護衛に関しても、その間はクロノさんが護衛の主任としてつくからむしろ僕がいないほうが護衛体制は万全というのはなんという皮肉だろうか。

 学校生活は、相変わらずと言っていいだろうか。アリサちゃんと仲直りもしたいのだが、なかなかタイミングがつかめない。すずかちゃんの言うとおりに距離を置いてみた。つい先日に遊園地へも行ったみたいだが、彼女とはいまだに話ができていない。僕が避けているのか、避けられているのか、なんとなくタイミングが合わないのだ。運動会を契機にして仲良くなった女子との間も切るわけにはいかないし、放課後は僕の用事がある。必然的にアリサちゃんとの接点が小さくなるのは仕方ないことだった。

 アリサちゃんもアリサちゃんで、何か言いたいことがあるのか、いつも僕に話しかけようとしてくるのだが、それをいつも邪魔されるのだ。本当にタイミングが悪いとしか言いようがない。何度か電話したのだが、彼女は決して僕からの電話には出てくれなかった。少なくとも、この護衛のお仕事が終われば時間ができるはずだから、その時には改めて話をしてみようと思った。

 それから、放課後の護衛任務だが、クロノさんの言うとおり、なんの変哲もない平穏を送ることができていた。学校から一度は帰宅するのだが、そこから今日の着替えを手にして、アリシアちゃんに見送られて八神家へと向かう。八神家ではクロノさんがいて
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