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リリカルってなんですか?
A's編
第二十九話 裏 (夏希、エイミィ、アリサ)
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で、夏希は半分興奮していることを自覚しながら話しかけたそうに近づいてきているアリサ・バニングスを押しのけて、翔太に話しかけた。

「ショウっ! すごいじゃないっ!」

 夏希が言っているのは、運動会で見せた翔太の走りのことである。半ば諦めかけていたところからの大逆転劇。忘れろというほうが無理だった。

「―――あはは、ありがとう」

 翔太も興奮しているのかと思いきや、彼はどこか冷めた様子だ。上の空といってもいい。一体どうしたんだろうか? と思いながらも、今は気にしないことにした。いま大事なことは、クラスにいる女子の大半が聞き耳を立てていることである。翔太への注目度が高いことを示しているのだから。

 その中で、夏希は今日のことを聞くために明日のお昼を一緒に食べる約束をした。詳しい話を聞くために。

 夏希がかけたエサはあっさりと引っかかってくれたようだ。翔太と一緒にお昼を食べたいと言ってきた女子のグループが数グループ。その中には、今まで翔太と距離を取っていたところがあったグループもあった。おそらく、彼女たちを親翔太よりにすれば、残りもなびくだろう。数の暴力とはよく言ったものである。

 もっとも、これも早いうちに実行しなければならない。鉄は熱いうちに打てというが、この場合もあてはまるだろう。今は運動会の空気に酔っているところもからこその興奮なのだ。それが覚めてしまっては意味がない。おそらく、今週までが勝負だろう、と夏希は睨んでいた。

 もっとも、一番酔っているであろう隣を歩いている親友を見れば、一か月後でも大丈夫ではないのだろうか? と思ってしまうのだが。

「今日のショウくんすごかったよねっ!」

 興奮気味に話す桃花。もちろん、夏希にだって理由はわかる。あの瞬間は、誰もが興奮していただろうから。もしも、桃花がもう少し冷静だったら、夏希ももうちょっと興奮していたかもしれない。今こうして冷静なのは、おそらく桃花を反面教師として見ているからだ。

「ねえ、夏希ちゃん、明日、ショウくんと一緒にお弁当食べるんだよね?」

「うん、そのつもりよ」

 その際には、おそらくもう4、5人増えることになるだろう。

「だったら、私も一緒にいいかな?」

「もちろんっ! あたしと桃はいつも一緒に食べてるじゃないっ!」

「そ、そうだよね」

 どこか、よかった、と安堵の息を吐きながら桃花は安心したような表情を浮かべていた。そのことを疑問に思う夏希。まさか、自分が世話を焼かなくちゃ、と思っている親友から、まさか今日のことで翔太を好きになってしまった、と勘違いされかけていたとは、微塵も思ってみなかった夏樹だった。

 夏希は桃花が自分と食べることよりも、翔太と一緒にお昼を食べることに喜んでいることに対し
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