A's編
第二十九話
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ていれば、の話だがね」
「そうですか……」
帰ってきていない家族のことが気にかかり、もしかしたら、クロノさんたち時空管理局の人たちなら知っていると考えたのだろうか。生憎ながら、クロノさんもそのことはわからなかったようだが。
「彼らのことも何かわかったら連絡するとしよう」
クロノさんもはやてちゃんの意志をくみ取ったのだろう。守護騎士という人たちのことがわかれば連絡してくれるように配慮してくれるようだ。はやてちゃんもそれを聞いて安心したのか、お願いします、と頭を下げていた。
それからは、はやてちゃんへの協力体制への話へと移った。もっとも、協力体制と言っても、はやてちゃんがやることは少ない。闇の書を貸し出すぐらいだ。後は、護衛に囲まれておとなしくしておけばいい。その中の一人が僕なわけで、基本的には家の中には僕以外はいないことになっている。もちろん、学校には通うが、はやてちゃんの家に泊まって、通学という形になるだろう。短時間であれば、なのはちゃんとの魔法の練習時間もとっても構わないようなので、一か月ぐらいのホームステイのつもりだ。
僕が護衛役の一人だとわかると、はやてちゃんは、驚いたような表情を見せて、すぐに取り繕うような笑みを浮かべて、「よろしくな」というのだった。
◇ ◇ ◇
はやてちゃんへの協力体制への取り決めは、一時間ほどで済んだ。作戦の開始時期は、明日からという早い時期だが、時間がかかればかかるほどにはやてちゃんの体調に悪影響が出ることも鑑みると早いほうがいいらしい。
その話し合いが終わった後、僕はクロノさんに送られて自宅へと戻ってきた。
「ただいま〜」
「お兄ちゃん、お帰りなさいっ!」
玄関先で僕を迎えてくれたのは、アリシアちゃんだった。今日は、母さんと買い物に行っていたから、その時に買ってもらったのだろう。ツインテールにしている金髪に新しいピンク色の花の形をした髪留めがつけられていた。
「それ、買ってもらったの? かわいいね」
「えへへ、うん、母さんに買ってもらったんだ」
僕の言葉で照れたのか、やや照れくさそうにはにかむアリシアちゃん。だが、次の瞬間に何かを思い出したようにあっ、と声を上げると、手に持っていた携帯を差し出した。
「ちょうどよかった。アリサから電話だよ。お兄ちゃんにも用事があるから」
何か悪戯をたくらむ子供のようにニシシシと笑うアリシアちゃん。この子が何かたくらんでいるとは思えないのだが、そもそも、電話に出るだけで何か悪戯できるものなのだろうか。そんな風に怪訝に思いながらも、僕はアリシアちゃんから電話を受け取った。
電話の状態は保留だった。電話の相手はアリシアちゃんの話によるとアリサちゃん
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