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リリカルってなんですか?
A's編
第二十九話
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が魔力を吸われて死んでしまうと知っているのでクロノさんに協力するだろう。

 残念ながら、僕に両方を救えるほどの力量はない。ならば、僕としてはコミュニケーションのとれない闇の書よりもはやてちゃんが助かるほうを取るに決まっている。はやてちゃんからしてみれば、闇の書は家族かもしれないが、僕からしてみれば、闇の書ははやてちゃんを死に追いやる張本人なのだから。

 しかし、はやてちゃんはどう出るかな? と謎に思っていたが、意外と答えは早く出たようだ。

「―――わかりました。クロノさんに協力します」

 はやてちゃんの答えは僕にとっては予想外だった。ここでは、拒否すると思っていたのだ。それがはやてちゃんの口から出てきたのは許諾の言葉だった。

「その代わり、お願いがあります」

「何かな?」

「あの子を―――闇の書を救う手立てを見つけてください。あの子が、ずっと封印されたままやなくて、新しい主の元へと何も問題なくいけるように」

 なるほど、と思った。はやてちゃんは、僕が知っている周りの子たちよりもよっぽど大人だった。現状を把握しており、ここで自分がわがままを言っても、覆しがたい状況だと理解している。それよりも、協力する見返りに闇の書―――はやてちゃんがあの子と呼ぶ存在を助けるための協力を依頼したほうが、あの子のためになると考えたのだろう。

「―――わかった。約束しよう」

 クロノさんが約束したことで嬉しそうに笑うはやてちゃんに対して、クロノさんはこれが契約の証だ、と言わんばかりにはやてちゃんに握手を求めるように手を伸ばした。はやてちゃんは、握手という手段が意外だったのか、驚いたように目を白黒させて、クロノさんの手を握っていた。

「あと、もう一つ、質問があるんですけど」

「なんだい?」

 言いにくそうに切り出すはやてちゃんに対して、協力が受け入れられたことがうれしいのか笑いながら対応するクロノさん。そのクロノさんの微笑みに押されてか、はやてちゃんが戸惑うような、言いづらそうな口調で疑問を口にする。

「うちの子たちを知りませんか?」

「……うちの子?」

「闇の書の守護騎士たちのことです」

 ―――闇の書の守護騎士。

 それがはやてちゃんの言っていた家族のことだろうか。たしか、はやてちゃんの家族はいまだに帰ってきていないはず。いや、そもそも、守護騎士とはなんだろうか? 僕はクロノさんからそんな話は聞いていない。漢字から想像するに闇の書を守る番人のような感覚を受けるのだが。

 だが、事情を知らない僕に対して、クロノさんは聞いたことがある単語だったのだろう。即座に首を横に振った。

「いや、わからない。少なくとも、僕たちと交戦したという記録はない。もしも、闇の書の蒐集をし
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