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リリカルってなんですか?
A's編
第二十九話
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は間違いないだろう。だが、それならば、クロノさんたちが単体で動いても問題はないはずだ。それなのに、わざわざなのはちゃんに手伝いを申し出ている。さらにいうとクロノさんは、時空管理局の仕事で僕たちに頼むのをためらっていたはずだ。僕の役回りならばともかく。

「一言に魔力の蒐集と言ってもやり方はいくつもある。その中で、一番効率がいいのは、人から魔力を蒐集することだ。人のリンカーコアは、莫大な魔力を持っているし、数も多い。歴代の闇の書もそうやって魔力を蒐集してきた」

「え? なら、人から集めればいいんじゃないんですか?」

 僕の感覚としては、魔力を抜き取られるといっても、魔力の源となるリンカーコアを抜き取るわけではなさそうだ。だから、献血のような感覚で言ったのだが、クロノさんは、苦虫をかみつぶしたような表情でいう。

「リンカーコアから魔力を蒐集するというのは、苦痛と下手をすればリンカーコアを傷つけ、一生魔法が使えない体になってしまう可能性がある。そして、無理やりに魔力を引き抜けば―――死に至る可能性すらあるんだ。だから、この方法は使えない」

 なるほど。今まで話を聞いているだけでは、はやてちゃんの護衛は、最後の暴走状態で犠牲になった人たちと思っていたが、それだけではなさそうだ。歴代の闇の書の主たちは、人から蒐集したとなれば、しかも、そんな危険性のある方法であれば、復讐を考えるかもしれない。いや、もしかしたら、暴走状態に巻き込まれたときよりも復讐の念は強いかもしれない。

「それで、代わりの方法だが、野生の動物たちの中にも魔力をもつ動物―――いや、この場合は魔法生物か―――がいるんだ。彼らから蒐集する計画を立てている。だけど、ここで問題があってね。効率が悪いんだ。だから、結局、広く浅くというか……たくさん集めなくてはいけなくなる。その場合、人海戦術になるんだが……今の時空管理局にそこまで人数を割けなくてね」

 やるせない表情をするクロノさん。いくら大規模破壊を行うロストロギアで見過ごすことができないとしても、割り当てられる人数は決まっているのだろう。時空管理局だって、闇の書事件だけに注力していればいいわけではないのだから。

「でも……なのはちゃん一人で変わりますか?」

 クロノさんが、なのはちゃんを戦力として求める理由はわかった。だが、それでもなのはちゃんは一人なのだ。たった一人で何か変わるのだろうか? と純粋に疑問に思ってしまう。だが、そんな疑問にもクロノさんは丁寧に答えてくれた。

「ああ、変わる。なのはさんの純粋な魔力の強さと魔法の威力を考えると一騎当千といってもいい。安全を確保して、マージンを取ったとしても武装隊を総動員して、ちまちまと蒐集するよりもよっぽど効率が良くなることは間違いないよ。何よりなのはさん
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