A's編
第二十九話
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うわけだろうか。はやてちゃんが何かしたわけでもない。彼らに必要なのは復讐の対象なのだろう。
「でも、僕に護衛が務まるでしょうか? 僕はただの小学生ですよ。戦うなんて無理です」
「ああ、それはわかっているさ。実際に守るのは僕たちだ。武装隊の一部が護衛任務に就くことになっている。だが、いくら護衛のためとはいえ、はやてさんを知らない大人たちに囲まれて過ごさせるわけにはいかないだろう? 身の安全も必要かもしれないが、必要以上にストレスを与えるのもまずいことになる。だから、武装隊ははやてさんの家の周囲を護衛するから、君にははやてさんの近辺についていてほしい。友人がいれば、彼女の心労も違うだろうから」
一番は家族なんだがな、とこっそりつぶやくクロノさんの言葉を聞いてしまった。
確かに、こんな状況ならば、家族が一番彼女の心の支えになってくれるだろう。だが、はやてちゃんのお父さんとお母さんは、すでに亡くなっている。ほかの家族は現在、家にはいない。少なくとも、僕がはやてちゃんの家を出るまでは誰も帰ってくることはなかった。おそらく、クロノさんもそのことを知っていて、今の言葉をつぶやいたのだろう。なぜ、クロノさんが知っているのかはわからないが。
「……私もショウくんのお手伝いするよ」
僕がクロノさんの言葉に返事をしようとしたのだが、その前になのはちゃんが不意に口を開いた。その内容は僕を手伝うというもの。
確かに、なのはちゃんも一緒に守ってくれるなら、これ以上ないぐらい頼もしい。少なくとも僕だけが近くにいるよりもはるかに護衛という役割を果たすことができるだろう。
だが、なのはちゃんの提案にクロノさんは、渋い顔をする。
「……なのはさん、君の協力の申し出は嬉しいんだが、君には別のことを頼みたかったんだ」
言われてみれば、僕と一緒になのはちゃんを護衛の任務を頼まなかったのに、この場に呼んだことを考えれば、なのはちゃんには別のことを頼むつもりだったことは明白だろう。僕だけでは護衛という役割は無理だとクロノさんもわかっているだろうから、この場所の最大戦力であるなのはちゃんを遊ばせておくわけがない。
「なのはさん、君には魔力蒐集の手伝いをお願いしたい」
「魔力蒐集ですか?」
よくわからない言葉に、なのはちゃんは小首を傾げ、代わりに僕がクロノさんに聞き返した。
「ああ、闇の書が魔力を蒐集して、最後には魔力を暴走させる危険なロストロギアであることは話したね。今回の作戦は、その蒐集が終了し、暴走状態へ入る一瞬の空白を突いて封印してやる必要があるんだ。だから、こちらで蒐集を行ってそのタイミングを計ろうとしているんだ」
「それで、どうしてなのはちゃんが必要なんですか?」
魔力の蒐集が必要なの
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