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星河の覇皇
第一部第一章 若き将星その三
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った。
「そうだ。アクバル=アッディーン中佐が艦長を務めているあの艦だ」
 参謀はそれに対して言った。
「アッディーンか。またやったのか」
「ああ。しかも今度は戦局を一変させた。それも僅か一隻で」
「戦法も見事だな。血気にはやる敵軍の前に来て総攻撃を仕掛けて止めるとは」
 別の提督が資料を読みながら言った。
「そうだな。そうそう出来るものではない」
 参謀の一人が言った。
「アジュラーン司令は何と言っている」
「かなり評価しているようだ」
「・・・・・・そうか」
 彼等はそれを聞いて何か意を決したようだ。
「これからは彼には思う存分働いてもらうか」
「そうだな。サハラの大義の為に」
 現在の軍上層部は強硬派の牙城と言われている。彼等はサハラ統一を掲げており民衆からも人気は高い。
「それでは彼を大佐にするとしよう」
「このままいくとすぐに将官になるだろうな」
「そうだな。そうなった時が楽しみだ」
 彼等はそう言って会議を終えた。この会議でアクバル=アッディーンの大佐への昇格及びカッサラ星系での大規模な軍事基地の建設が決定された。
 カッサラ星系への軍事基地建設は議会も承認した。それにより一個艦隊がこの星系に駐留することとなった。
「流石に軍部の人気は議会も無視出来ないか」
 アッディーンはこの星系に駐留する艦隊に配属されることとなった。今度は戦艦の艦長である。
「今度は戦艦か。それにしても大きい艦だな」
 彼は港にある今から自分が乗る艦を見て言った。
「それはそうですよ。特にこの艦は最新鋭の大型艦ですからね」
 傍らにいるガルシャースプが言った。
「最新鋭か。そういえばまだ綺麗なのものだな」
 彼は艦を見て言った。
「この艦はこれまでの艦とは違いますよ。何しろ我が国の技術の粋を結集させたものですから」
「それはいいな。今までの艦は少し設計思想が古いんじゃないかと思っていたところだ」
 二人は艦に続く桟橋を登りながら話している。
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