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星河の覇皇
第二部第四章 二つの戦いその一
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て行った。
 暗い道は下に向けて続いていた。かなり降りただろう。出るとそこは何か廃墟のようであった。
「隊長の予想は当たったようですね」
 隊員の一人が言った。
「ああ、下水道の下にこのようなものがあるのはいささか不思議だがな」
 ハルヴィシーはその廃墟を見回しながら言った。地震はかなり大規模なものだったのであろう。建物は全て破壊され瓦礫の山がそこかしこに散乱している。
「まずはここに陣地を築くぞ」
「はい」
 彼等はすぐに陣地を構築した。やがてレジスタンスとサラーフの特殊部隊がやって来た。
「早速来たな」
 彼等はその陣地を潰そうとする。だがそれは適わなかった。ハルヴィシーの構築した陣地は堅固であり彼等を寄せ付けなかったのだ。
 一日経った。上で下水道の出入り口を押さえていた部隊が到着した。
「よし、少しずつ進撃していくぞ」
 ハルヴィシーは部下達を率いて前に出た。そして廃墟を一つずつ潰し攻略していった。
「焦る必要はないからな」
 彼は部下達に対して言った。
「敵は既に我等の手中にある」
 彼の言うとおりであった。出口は既に押さえている。レジスタンスもサラーフの特殊部隊も袋の鼠であったのだ。
 彼は敵を炙り出し少しずつ倒していった。そして徐々に包囲していった。
「ハルドゥーンは何処だ」
 そして捕虜にしたレジスタンスに対し問うた。
「それは・・・・・・」
 だが彼は口を割ろうとしない。
「中尉」
 そこでハルヴィシーはウルドゥーンに声をかけた。
「わかりました」
 ウルドゥーンは頷くと一本の注射針を取り出した。
 そしてそれをその捕虜の腕に刺した。ハルヴィシーは暫く時間を空けてから問うた。
「ハルドゥーンは何処にいる」
「寺院の廃墟の地下に」
「そうか」
 それは自白剤であった。拷問による尋問は最早過去のものとなっていた。今は後遺症のない自白剤が発明されておりそれを使うのだ。もっとも使っているのは秘密警察や憲兵といった特殊な組織だけであるが。
「寺院は」
 ハルヴィシーは周りを見渡した。
「あそこか」
 彼はその寺院の廃墟を確認した。
「行くぞ、これでここでの作戦は終わりだ」
「ハッ」
 彼等は寺院を包囲した。だがそこにいあるレジスタンス及び特殊部隊の抵抗は流石に強力だった。
「流石に本丸は容易に陥とせないな」
「ええ、けれどあと一息ですよ」
 ウルドゥーンはビームライフルを放ちながら言った。前にいた特殊部隊の兵士の額が撃ち抜かれた。
「何と言っても数が違いますからね」
「そうだな。それに彼等に残された場所ももうあの寺院しかない。最早逃げられん」
 彼は総攻撃を命じた。バズーカや無反動砲が寺院を撃った。
 これでレジスタンス達は怯んだ。それを見た彼は一斉射撃の後突入
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