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星河の覇皇
第二部第三章 魔王その三
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その間に補給線を脅かし奇襲を仕掛ける」
「そうして我々の士気及び戦力を徐々に奪っていくつもりなのでしょう」
 ここでベルガンサが口を開いた。
「現に我が軍の士気は落ちはじめようとしておりますし」
「シャイターンという男」
 モンサルヴァートはそれを聞き彼の名を口にした。
「思ったよりそうしたゲリラ戦に長けた男のようだな。正規戦を好むと思ったのだが」
 彼はここで思い違いをしていた。そのことは後に知ることになる。
「ここは我々も守りましょう。先に痺れを切らした方が負けです」
「そうだな、ここは致し方あるまい」
 モンサルヴァートはあまり面白くはなかったがベルガンサの案を採用した。こうして両軍は睨み合いを続けた。

「さて、モンサルヴァート上級大将だが」
 焦り不快を感じるモンサルヴァートに対しシャイターンは余裕を以って陣中にいた。
「さぞかし焦っていることだろうな」
 彼は司令室で食事を摂っていた。士官用の食堂には行かない。彼はいつも司令室で食事を摂るのである。
 その食事は陣中とは思えぬものであった。巨大なテーブルの上に数十品程が並んでいた。
「はい、彼等は正規戦で決着を着けたいようです。ですが今は自重しております」
 彼に仕える傭兵部隊の将校の一人がその前に控えていた。
「だろうな。だが動かぬと」
 シャイターンはフォークとナイフを優雅な手つきで動かしながら言った。
「はい」
「先に動いた方が敗れるからな」
 彼は肉を口に入れる前に言った。
 そして肉を口に入れる。重厚な肉汁が口の中に満ちる。
「こちらも動く必要はない。ただ敵の動きをよく監視し時折襲撃を仕掛ける程度でよい」
「はい、ですが・・・・・・」
 将校はそこで顔を暗くさせた。
「我が軍にもそれに不満を持つ者があらわれはじめている、と言いたいのだな」
「は、はい」
 彼は自分が言おうとしていることをその前に言われてしまい内心焦った。
「君は命は惜しいか?」
 シャイターンは唐突に尋ねた。
「!?」
 将校はその言葉の意味がよく理解できなかった。
「命ですか!?」
「そうだ、惜しいかね、大事かね」
「それは・・・・・・」 
 軍人としての答えは決まっていた。
「何時でも国家の為に捧げる覚悟はできております」
「軍人としての答えではない。人としてはどうなのか。言っておくがその答えで君をどうこうするつもりはない」
 彼はそう断ったうえで尋ねてきた。
「では聞こう。惜しくはないかね?」
「はい、私にも家族がありますし」
「そうだろう、死にたくはない人間はあまりいないものだ」
 彼はそう言うと微笑んだ。
「それは私とて同じだ。ましてや徴兵で連れて来られた兵士はどうだ」
 サハラ諸国は徴兵制が主流である。
「それは当
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