第二部第三章 魔王その一
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=カリフの部屋のようである。
所々に宝玉がありベッドは絹の天幕である。椅子もテーブルも極めて高価なもので彼が手に持つ杯は水晶である。
彼はそこで絹の服に身を包んでいた。軍服も似合うがこうした装飾の多い服も似合っている。
「あの国を抑えれば他の国も順調にいく。諸国の軍事を全て手中に収めるのはここ数日で出来るな」
彼は杯をテーブルに置いて言った。そこに紅のワインが注ぎ込まれる。
「ご苦労」
彼はそこにいる侍女の一人に声をかけた。
「エウロパを破れば私の名はさらに上がる。それからここに居つくのも悪くはない。いや」
ここで彼はニヤリ、と笑った。
「ここに私の勢力を築いておくとこれからがやり易いな」
まるで魔界の覇者の様な顔であった。整ったマスクにえもいわれぬ邪悪さが差し込んだ。
「閣下」
不意に扉を叩く音がした。
「入れ」
彼は部屋に入るよう言った。一人の少年兵が入って来た。
「ハルシーク様がお話したいことがると来ておられますが」
「そうか」
彼はその言葉に頷いた。
「すぐに行こう。服を持て」
「はい」
彼は侍女に服を着替えさせた。そして軍服に身を包むと少年兵に案内され艦の作戦室に向かった。
「よく来てくれた」
彼はそこに立つ壮年の男を見て微笑んだ。
「はい」
そこにいたのは鋭利な顔立ちのやや小柄な男であった。シャイターンと同じ軍服を着ているがマントは羽織っていない。彼はトゥース=ハルシークという。シャイターンの傭兵隊の最古参の一人であり彼の知恵袋でもある。
「まあ座れ。お茶でも飲みながらゆっくりと話そう」
「わかりました」
シャイターンが席に着くのを確認してハルシークも席に着いた。シャイターンは席に着くと少年兵に向けて指を鳴らした。彼はそれに対して頷きその場を後にした。暫くしてコーヒーとお茶菓子を持って来た。
コーヒーはブラックであった。砂糖は入れない。お茶菓子はチョコレート菓子である。ケーキに似ているが少し違う。何処かクッキーを思わせる。
「甘いものは好きだったな」
「はい」
ハルシークは答えた。そしてシャイターンがコーヒーを口にしたのを見て自分もコーヒーを口にした。
「美味いな」
シャイターンはコーヒーを口にして少年兵に対して言った。
「有り難うございます」
彼は嬉しそうに頷いた。
「菓子もいい。ただし砂糖はもう少し控えてくれ」
「わかりました」
彼はそれには少し残念そうに頷いた。
「折角チョコレートを使っているのだ。砂糖よりそちらを上手く使った方がいい」
「はい」
彼の味覚はかなり鋭いようだ。しかも舌もかなり肥えている。
「こういったことも経験だ。よく学ぶがいい」
「はい」
少年兵は敬礼した。そしてその場に控えた。
「いい。下がっ
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