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星河の覇皇
第二部第一章 策略その三
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の艦艇及び艦載機ですね」
「そうです。全てが整ってからでも遅くはないかと」
「わかりました。それではそうしましょう」
「はい」
 次にレイミー中将が入って来た。黒に近い茶の髪のダークブルーの瞳を持っている。技術系とは思えぬ程の逞しい身体つきをしている。彼は陸上兵器の開発及び研究がその専門分野である。
「チョム大将からお聞きしたのですが」
 八条はそう前置きしたうえで話しはじめた。
「陸上兵器の開発はそうなっておりますか?」
「あまり順調とは言えません」
 彼は少し顔を顰めて答えた。
「全ての兵器において今何を重点に置き開発すべきか議論が別れているのです」
「といいますと」
「生存能力を重視すべきか機動性や攻撃力を重視すべきかで。今真っ二つに別れているのです」
「そうなのですか」
 これは兵器の開発においてはよくある話である。
「艦艇の場合は海賊を主な相手としておりますから用途がすぐに決まります。しかし陸上兵器となりますと」
「テロ組織はまた別ですからね」
「はい。特殊部隊の武装はまた別に開発しておりますが」
 この時代においてもテロ組織等に対しては専門の特殊部隊が必要であった。こうした狂気の輩にはそれ相応の対処が必要なのである。
「暴動の抑制は催涙弾で充分なのでこれは省きます。あらゆる地形に対応出来るような設計はもう同意しているのですが」
「生存性をとるか攻撃力をとるかですか」
「そうなのです。どうすべきでしょうか」
「そうですね」
 八条はレイミーに話を振られて考え込んだ。
「やはりここは」
 暫く考え込んで話しはじめた。
「生存能力を重視すべきであると思いますね」
「長官はそうお考えですか」
「はい。我が軍は志願制ですし。将兵の死傷者が多ければそれだけ志願者も減るというものです」
「志願者ですか」
「はい。志願者なくしては成り立ちませんからね。徴兵制は今更ですし」
 連合においてはどの国も志願制である。これはエウロパも同じである。
「そういったことを考えると生存性を重視する方がよろしいかと。我が軍は数はあるのですし攻撃力が多少不足してもそれは数で充分補えます」
「そしてその数を減らさない為にもですね」
「そういうことです。私はそう考えます」
「それではスタッフにそれを伝えましょう。おそらくそれで決まるかと思います」
「お願いします」
「わかりました」
 こうしてレイミー中将も部屋を去った。陸上兵器の開発もこれでおおよその開発方針が定まった。
 一人になった八条はあることを考えていた。
「入隊の年齢をどうするかだな」
 軍の入隊は若者が入るものである。従ってその年齢制限は他の職種と比べて遥かに厳しい。
「各国によって学制も異なるしな」
 これは致し方ないことでありあれこれ
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