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星河の覇皇
第二部第一章 策略その一
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ょう。何を言っても無駄です。そしてそれにサラーフが乗った、それだけなのです」
「そしてミドハドはサラーフの属国になると」
「その時には彼はまた考えを変えるでしょうが」
「だろうな。食えない男だ」
 彼はそう言うと再び顔を顰めた。
「ですが国も人もそうして生き残る場合が多々あります」
「そうだったな」
 春秋戦国時代でもよくあったことである。とりわけ群雄割拠の状況においては。
「そうして生き残るか。だが上手くいくかな」
「そこまではわかりませんね」
「まあいい。それはあの男次第だ」
 モンサルヴァートはそう言うと席を立った。
「さて、これからの我が軍の行動だが」
「それについて私の意見をお聞きしたいとのことですが」
「うむ。何かしらよい提案があると聞いているのでな。悪いがわざわざ来てもらった」
 モンサルヴァートは態度をあらためて言った。
「各艦隊の司令官達にも来てもらっている。早速話をはじめたいのだが」
 その言葉と共に何人か入ってきた。
「長官、お呼びでしょうか」
 そこには八人の男がいた。
 まずはクライストとステファーノである。彼等はサハラ総督軍の第一及び第二艦隊の司令である。
 その後に六人いる。第三艦隊を率いるニコライ=ゴドゥノフ。顔を濃い髭で覆った筋骨隆々の大男である。くすんだ金髪に灰がかった青い瞳をしている。猛将として知られている。
 続いてホセ=ヴァン=マトク。砂色の髪に藤色の瞳をしている。かって僅か数百の艦で一千隻を越える敵艦隊と渡り合い守りきったことがある。防衛戦の名手である。彼はまだ二十代である。その名から貴族出身であるとすぐにわかる。
 トーマス=ターフェル。赤い髪の茶の瞳を持つこの男は歴戦の人物である。まだ三十代であるが多くの戦いを経てきた。彼はその経験に裏打ちされた指揮により勝利を収めてきた。
 シラノ=ジャースク。ダークブラウンの髪と瞳を持つこの人物はかなりの美男子で女好きでも知られている。だがその采配は意外にもバランスのとれたものである。
 ドミトリー=ニルソン。金髪碧眼の長身のこの男は勇将として有名である。かなり短気なことで知られ決闘沙汰も多く起こしている。だが家庭は大事にする。かなりの愛妻家である。
 最後にレナート=アローニカ。士官学校卒業後パイロットになりそこで活躍した。その経験からか彼は空母を使った作戦を得意とする。
 この八人が総督軍の艦隊司令である。彼等はそれぞれ名のある人物でありまた武勲も重ねている。
「諸君、よく来てくれた」
 モンサルヴァートは彼等が皆中に入ったことを確認すると彼等に対し言った。
「ハッ」
 彼等は一斉に敬礼した。皆階級は中将である。プロコフィエフと階級は同じである。
「参謀総長」
 彼はプロコフィエフに顔を向けた。

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