第八十八話 フォルカとアルティス
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ける。
「何かあったの?」
「死体がクローンだとしたら」
「クローン」
「それよ。可能性はあるわよね」
「確かにね」
リツコの言葉に顎に右手を当てたうえで考える顔になった。
「少なくともゼロじゃないわ」
「あの人だったらそれ位はね」
「するわね」
「そうよ」
流石に二人共ゲンドウのことはよくわかっていた。特にリツコは。
「そして生きていても」
「おかしくはないわね」
「冥王計画は人類補完計画の予備計画だったわ」
「若し人類補完計画が失敗したその時に」
「そうよ」
このことも二人はよくわかっていた。
「その時にすぐに銀河を消し去る為のものだったわ」
「けれどそれも」
ミサトは言う。
「結果として失敗に終わったわね」
「そうね」
「だとしたらよ」
ミサトの言葉が続く。
「ネルフ、そして碇司令は」
「司令は?」
「こうした場合いつもどうしていたかしら」
「いつも?」
「常に既に手は用意してあったわよね」
このことも語られる。
「何があってもいいようにってね」
「じゃあまさか」
「裏の裏よ」
こう言うのだった。
「それがないとも限らないわ」
「そうかもね」
そしてリツコもミサトのその言葉に頷いた。
「今までが今までだから」
「どちらにしろこれからも」
「ええ」
「何が起こっても不思議じゃないわね」
「そうね。けれどまずは」
「目の前の敵ね」
「そう、彼等よ」
結局話はここに至るのだった。
「修羅、そして修羅王ね」
「フォルカ君の活躍は大きいけれど」
「油断はできないわよね」
「修羅は強いわ」
ミサトもこのことはよくわかっていた。
「それもね。かなり」
「今は優勢でもこっちの僅かなミスで」
「そうよ」
リツコが何を言いたいのかはわかっていた。
「忽ちのうちに崩れるわよ。注意しないとね」
「じゃあそれを念頭に置いてね」
「ええ。いよいよ」
ミサトは前を見据えた。
「修羅王の宮殿よ。行くわよ」
「それまでにね」
リツコはここでその場を離れる動きを見せてきた。
「ちょっと行って来るわ」
「メイシスのところね」
「そうよ。一度話してみたいと思っていたのよ」
ミサトのほうを振り向いての言葉だった。
「それもじっくりとね」
「わかったわ。じゃあ」
「暫くここを御願いね」
「ええ。待っておくわ」
「有り難う」
こうしてリツコはメイシスに会いに行った。また二人仲間が加わったのだった。そして遂に。彼等は修羅王の宮殿へと迫るのであった。
第八十八話完
2008・10・29
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