第八十二話 デュミナスの答え
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第八十二話 デュミナスの答え
「ううう・・・・・・」
「デュミナス!」
「しっかりして下さい!」
三人は呻き声をあげるデュミナスに必死に声をかけていた。
「デュミナスがいなくなったら僕達は」
「どうなるのよ!」
「私は・・・・・・」
デュミナスは三人が気遣う中で声を漏らした。
「このまま消えるのか」
「消えないでよ!」
ティスの声は今にも泣きそうなものだった。
「消えちゃ嫌よ、絶対に!」
「何もわからず、存在自体を否定されたまま」
デュミナスは呟き続ける。
「消えるのか」
「消えない」
ラリアーは虚ろになった言葉で言った。
「デュミナスは。絶対に」
「どうしたら」
デスピニスは完全に狼狽していた。
「どうしたらいいの?」
「わからない」
ラリアーが彼女の言葉に首を横に振る。
「僕にはわからないよ」
「馬鹿!」
しかしそんな二人をティスが叱った。
「あたし達が諦めてどうするのよ!」
「けれど」
「それでも」
「けれどもそれでももないわよ!」
ティスは何時にも増して感情的になっていた。
「それでもデュミナスの子供なの!?」
「ティス・・・・・・」
「デュミナスは頑張ってきたのよ」
ティスはもう泣いていた。
「何十年、何百年も」
「それは確かに」
「知ってるわ」
「知ってるなら余計によ」
ティスは二人にさらに言う。
「そんなデュミナスに造られたのにこんなことですぐに諦めるの!?」
「わかったよ、ティス」
ラリアーはここで遂に言った。
「一つだけ方法があるよ」
「一つだけ!?」
「うん」
深刻だが意を決した顔だった。
「一つだけね」
「ラリアー」
しかしここでデスピニスがラリアーに声をかけてきた。
「それってまさか」
「そう、そのまさかだよ」
こう答えたラリアーだった。
「それしかないよ、もうね」
「そうね」
ティスも深刻な顔になってラリアーの言葉に応えた。
「それならデュミナスを復活させられるわ」
「けれど」
デスピニスは強張り震えた顔になっている。
「それをやったら私達は」
「ラリアー」
デュミナスは彼の名を呼んできた。
「デスピニス、ティス」
「デュミナス・・・・・・」
「ここを去りなさい」
こう三人に告げるデュミナスだった。
「私は御前達の創造主」
「だからよ」
「僕達はデュミナスの為に」
「何があっても」
「私は御前達の存在を否定することはできない」
このことを三人に言うのだった。
「けれど」
ラリアーがそのデュミナスに対して話す。
「ロンド=ベルがすぐそこに」
「だからもう」
「デュミナス、時間がないのよ」
デスピニスとティスも言う。あくまでデュミナスを気遣っていた。
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