二十三話
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「そう、か。私を探していたか」
「そうだけど……やっぱりイギリスの知り合いか何かだったの? だったら連れてきてあげればよかったかな」
「ウチらの連絡先は教えたけど向こうのは知らんしなぁ」
「聞いておけばよかったですね」
今日も今日とて三人にトレーニングをつけるネギだったが、休憩時間中に思いがけないことを聞かされることとなった。曰く、金髪碧眼のアルトリアという少女を知っているか、と。
それを聞いたネギは思わず身を固めてしまった。。金髪碧眼の少女。それは最近麻帆良に侵入し、次々と魔法使いたちを打倒している者の特徴そのものだ。それに加え、アルトリアという名前。
決して内にある動揺を表に出さず、ネギは問うた。何故そんなことを聞くのかと。そして、返ってきたのはこれまた想像の斜め上。彼女達はその侵入者と思わしき者と今日一日を過ごし、友達になったのだという。そして、件の人物が別れ際に口にしたのがネギ・スプリングフィールドを知っているかとの問いだったのだ。
そして話は冒頭に繋がるのである。
「それで、他には何か言っていたか?」
「ウチらの担任の先生やー、言うたんやけど特に何も言ってなかったえ?」
「そうか……分かった。ありがとう。君達はこのまま休んでいてくれ」
踵を返してその場を離れていくネギに、どうにも三人は違和感を感じていた。彼女、アルトリアの話をしてからというもの、どこかおかしい。だが、そのどこか、というのが何なのかを明確に示せるものは三人の中にはいなかった。
もし、それを指し示すことが出来るとしたら、それはただ一人。
「ククク、奴のことが気になるみたいじゃないか」
この世界で誰よりも、彼のことを知るこの少女以外にはありえない。
「さて、聞きたいことがあれば教えてやろう。勿論、ただではないがな」
闇の福音は、人を惑わす魅了の笑みを浮かべた。
「何故、付いてきている」
「えーっと、それは……」
「あははは」
「あうう〜」
「私はお嬢様の護衛ですから」
夜も深まった頃、ネギは寮の部屋を抜け出し散策にかりだした。目的は勿論侵入者、アルトリアとの接触である。出来る限り多くの場所を回りたいという考えから杖に跨り空を駆けようとしたその時、近くの影から何ものかの気配、それも複数が存在することに気がついた。一体誰なのかと確認してみたところ、彼女達が正体だったというわけだ。
「ふぅ……こんな時間に出歩くのを、教師としては許可できないのだが?」
「で、でも! アルトリアに会いに行くんでしょ!?」
その反応でネギは大体を悟った。彼女達は、アルトリアが侵入者であると知ったのだ。侵入者である彼女が、今まで何をしてきたのかも。だ
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