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アーチャー”が”憑依
二十三話
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からこそ、友として何故こんなことをしているのか問いただしたいのだろう。

「全く、余計なことをしてくれたな」

 未だ姿を見せない”もう一人”に悪態をつく。一体、何を考えているというのか。いや、特に何も考えていないのだろう。彼女は絶対的強者であるが故に、自分の楽しめる方向へと事態を運ぼうとするきらいがある。今回もその一環と言ったところだろう。

「まあいいじゃないか。そっちの小娘共の面倒は全面的に私が引き受けてやるんだからな」

「手出しは無用だぞ」

「分かっているさ」

 当初の予定通り、とはいかないもののネギは夜の麻帆良へと繰り出した。



 あの後、一行は明日菜達が昼間アルトリアを案内したという場所を優先して散策を行った。既に二つの場所を散策し終え、今は三つ目に向かっている所だ。

「ねえ、アルトリアに会ったらどうするつもりなの?」

「………………」

 それにネギは答えなかった。答える必要はない、ということではなく答えが自分でも分からなかったからだ。既に、ネギの中では確信に近いものが存在している。根拠などない。ただ、漠然とした予感だ。

「そう心配するな。悪い様にはしないはずだ」

 質問をした相手であるネギではなくエヴァンジェリンが答えたことに明日菜は若干訝しがるが大人しく引き下がった。自分達はエヴァンジェリンが帯同しているからこそ同行が許されているのであって、彼女の機嫌一つで即刻寮へ戻されかねないことを理解しているからだ。
 しかし、不満であることには変わりないらしく、ムスっとした表情を浮かべている。

「この辺りでいいか」

 そんなことをしている間に、ネギが突如立ち止まる。何をするわけでもなく、その場にとどまる。明日菜達はネギが何をしているかを察することは出来なかったが、裏に身をおく刹那はその意図を把握……いや、その存在を勘づいたが故に理解した。

「お嬢様、明日菜さん、宮崎さん。気をつけてください」

「せっちゃん、急にどーしたん?」

「何者かが、近くにいます」

 何者か、などと表現する必要は無い。誰かなどは分かり切っている。だからこそ、ネギはその名を口にする。

「私が、ネギ・スプリングフィールドだ。一体、私に何の用かな?」

 ネギの目の前に、一つの影が降り立つ。簡素な鎧を身に纏い、目元を隠すヘルムを身に付けた金砂の髪を持つ少女。無論、ネギはヘルムの下に隠された瞳が翡翠の色を持っていると知っている。

「平行世界の彼女(アルトリア)

こうして、彼は彼女では無い彼女と会合する。

「貴方が、ネギ・スプリングフィールドですか」

「…………」

 既に名乗りはあげている。そのためネギは返事をすることなく、ただアルトリアが
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