とある自由惑星同盟転生者の話 その6
[3/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
一息、あと一息だ!
「う、右方に多数の艦影。急速に接近してきます!」
「あ、あれは……敵の別動隊です!」
「中央に戦艦アースグリムを確認!」
何!?
ファーレンハイト艦隊だと!?
いくらなんでも早過ぎる!
「第十四艦隊、挟撃されます!」
メックリンガー艦隊とファーレンハイト艦隊に挟撃された第十四艦隊はみるみる内に数を減らしていく。
「戦艦アキレウス撃沈、モートン提督戦死!」
く、これはマズい。
モートン提督が戦死した今、第十四艦隊は組織だった抵抗が出来ない。
殲滅されるのは時間の問題だ。
「後方に敵艦隊出現、数8000!」
あれは……アイゼナッハ艦隊か。
これほど早く2個艦隊が駆け付けるとは……。
どうやら、これが敵の真の切り札だったわけだ。
「メックリンガー艦隊がこちらへ向かってきます!」
もはや第十四艦隊は烏合の衆でしかない。
ファーレンハイト艦隊だけで十分だと判断したのだろう。
「戦艦ディオメデス撃沈、カールセン提督戦死」
程なくして、第十五艦隊の旗艦ディオメデスも撃沈された。
「シュタインメッツ艦隊がこちらへ接近中」
「我が軍は包囲されつつあります!」
「敵の攻撃激しく、戦線を維持できません!」
「艦列、崩れます!」
次々と入る絶望的な報告。
それらは全て、同盟軍の劣勢を示していた。
「敵中央に砲撃を集中しろ! ハプスブルク大公さえ撃てば!」
そう言いながらも、もう無理だと何処かで諦めている俺が居る。
「こ、後方に多数の艦影! 敵の新手です!」
「詰んだか……ここまでだな」
勝敗は決した。
ここに至って、もはや逆転の目は無い。
後はヤン元帥の停戦命令を待つばかりだ。
力及ばず……だな。
* * *
その後、同盟は帝国に併合され宇宙から消滅。
ハプスブルク大公も皇帝に即位してアドルフ1世となり、勅命によって地球教も殲滅された。
ヤン元帥、ビュコック元帥は退役し、俺やチェン参謀長、パエッタ中将、フィッシャー、アッテンボロー、グエン・バン・ヒューなどの提督たちは帝国軍に編入され、帝国軍人となっている。
結局、俺は何も変えることが出来なかった。
……確かに、俺の介入によっていくらか原作から乖離した。
だけど、それは川の流れを少し変えた程度のことで、同盟の滅亡という行き着く先は変わらなかった。
歴史を大幅に変えたアドルフ皇帝とは大違いだな。
まあ、それもまた良し……か。
…………
そう思っていた時期≪ころ≫があった……。
今、目の前にいるのは俺と同じ転生者であり銀河帝国の皇帝へと登り詰めた男、アドルフ・フォン・ゴールデ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ