第四幕その五
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になったのでしょう」
「全ては。運命の悪戯でしょう」
マクダフは言う。
「彼はそれに誘われそうして」
「破滅したと」
「そういうことになります。運命は時として残酷なものです」
小シェアードにこう答える。
「それにより破滅したのでしょう」
「運命とは。惨いものですね」
マルコムが言う。
「それによりこうして破滅するならば。人はあまりにも愚かでちっぽけなものです」
「いえ、むしろ」
マクダフは新しいスコットランド王に対して述べた。
「それに誘われ、抵抗できないことが愚かなのです」
「そうなりますか」
「人は。運命は変えられるものだと聞きます。彼がそれを知っていれば」
またマクベスを見る。やはりその亡骸は小さく呆気ないものであった。
「こうはならなかったでしょう」
マクダフの周りからも城内からも凱歌が聞こえる。だが皆マクベスを見てはいなかった。運命に誘われ破滅した彼のことはもう倒された反逆者でしかなかったのだった。
マクベス 完
2007・10・8
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