暁 〜小説投稿サイト〜
SAO−−鼠と鴉と撫子と
24,開演のベルはなる
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けるかもしれないわ――あれ、キバオウさんにメールが届かない」
アスナの一言が、俺の耳に届いた時、最後のピースがハマった気がした。

この事件のひとつの罠のせいで、攻略組は二分割された。
なら、犯人の真の目的は攻略組の仲違いでキバオウを孤立させること。

いや、それだけじゃない?

「もしかしたら、もしかしたら、」
どん底だったと思っていた気分がまだまだ高い位置だった事に気づいた。
口を開こうとした瞬間、目の前にウィンドウが現れた。
一斉送信型のメッセージで日時指定がある。

差出人は………キバオウ!!
右手で何度も閲覧のボタンを叩く。焦りと震えでうまく押せなかったボタンは三度目でようやく反応し、目の前に短いメッセージが広がった。

『ワイらはもうお前らを信用せん。ワイらはワイらで攻略を進める。手始めの成果を晒すのはこれが届いてすぐになるハズや。
26層で待っとるで   キバオウ 』


「あのバカ、単独でボス攻略する気かよ!!」
椅子を蹴りあげて立ち上がる。
同じく、立ち上がったアスナに「他の連中にも連絡しろ!!」と言い残して、外へと飛び出した。
風となって表通りを駆け抜けていく俺の真横にアルゴがぴったりと寄り添う。

もしも、あのメッセージが迷宮区の前で設定されたものなら、ボス戦まではまだ時間があるはずだ。

俺は一直線に迷宮区に向かって走りだした。

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