暁 〜小説投稿サイト〜
SAO−−鼠と鴉と撫子と
24,開演のベルはなる
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な衝撃が俺を突き抜け、荒唐無稽な推理が形をもって浮かび上がってくる。

キリトが、ガタンと立ち上がった……顔面が見る見ると青ざめていくのがわかる

「どうしたの?二人とも。持ってくるなんて出来るわけが……ぇ、できるの?」
アスナの問いに男二人は答えられない。代わりに、アルゴが震える声で、答えを出した。

「「罠解除」スキルの追加Mobには《罠回収》があったはずだヨ。回収さえ出来れば……使えるかもしれないナ」
アルゴにしては珍しく声が震えていた。だけど、とアスナがそこでもう一度、声を挟む。

「追加Modを取れる機会はそうはないわ。《罠解除》スキルの追加Modをいくつも持つなんて、不可能よ」
いや、そう思った瞬間、キリトが顔を上げる。口がパクパクと動き、語るべき言葉を探していた。

「例えば、《罠回収》をもつプレイヤーとは別に、《罠看破》をもつプレイヤーがいたとすれば、どうだ?」
あ、とアスナが声を上げた。

そう、一人でなくて二人なら……発見と回収を別々の人の役回りとすれば可能だ。

「っというと筋書きはこーカ?下層でモンスター召喚型の罠を発見・回収したプレイヤーが罠を設置。それに運悪く解放隊があたったってことカ?」
『いや、運悪くではない。明らかにそのプレイヤーはPKを狙っているに違いない』

PKという言葉が活字となって目の前に出た時、いつの間にか声が漏れ出ていた。

ついに最悪の事態が起きたのだ。地獄の釜が蓋を開いていくのを感じた。これでこの仮想世界は真の意味で現実世界とかした。
最後の不文律は、何者かによって明確に壊されたのだ。

「とにかく、キバオウさんとリンドさんにすぐに連絡するわ。みんなに危険を知らせないと……」
「ああ、それこそ攻略どころじゃない」
キリトとアスナが次々とメッセージを作成して飛ばしていく中で、俺はまだ心に刺が突き刺さっているのを感じていた。
もしも、これが正解だったとして、犯人の動機はなんなんだろう。

あの罠は間違いなく、無差別のものだ。特定の誰かを狙うことは出来ない。ならば、個人的な復讐ではないだろう。
ならば、攻略組全体への攻撃ということになるが、それをして誰の得となるのだ。この世界からの解放は既にすべての人の共通意識ではないのか?

いや、今考えるのはそこじゃない。

この犯人は、強い。
俺やアルゴ並みの罠解除スキルを少なくとも二人で持っているということは、どう考えても組織的な犯行だ。
それならば、これくらいの――言ってしまえば二人のプレイヤー位ならこんなまどろっこしい真似をしなくても殺せるはずなのだ。

なぜ、罠に拘る必要があった。
最後のピースの一つを探し求めて、俺は頭をフル回転させる。

「だけど、これでアルゴさんたちの誤解が解
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